最近手に入れたシェットランドフォックスのサイドゴアブーツ(071FSF)のコバのところをアップで見るとこんな感じになっています。

 断面が「く」の字のカタチというか、上と下のカドがとられているというか。リーガルの公式オンラインショップの商品説明では、このディテールのことを「ヤハズ仕上げ」と書いています。

SHETLANDFOX ボートン/サイドゴアブーツ(071FSF) | 靴・リーガルコーポレーション公式オンラインショップ‐REGAL ONLINE SHOP

 

 このヤハズコバについて考えながら、ふと、とある靴愛好家の方がこんなことをおっしゃっていたことを思い出しました。

 

「日本製の革靴は、丁寧な造りなのだが、残念ながらデザインに『日本らしさ』がない。」

 

 イギリス靴にはイギリス靴らしいデザインというものがあり、イタリア靴やアメリカ靴も同様だけれど、日本の革靴には特有のシルエットや、日本発祥のディテールというものが存在しない…ということのようでした。

 

 確かにイギリス靴っぽさとかイタリア靴っぽさとかいうのは何となくわかる気もします(私には正確に言語化する自信がありませんけど)。アメリカ靴となると、例えば、シューレースが6穴であることとかでしょうか。あ、あと、ロングウイングはアメリカ発祥だ、とか。

 

 日本の靴に「らしさ」がないとしてもそんなに気にしなくてよいと思いますけど、そういえばヤハズコバは日本発祥なんじゃなかったでしたっけ。

 

 改めて調べてみたところ、例えば大塚製靴の商品説明ページやスコッチグレインの直営店ブログでは、ヤハズコバについて「日本発祥といわれている」というような説明ぶりになっているのを発見しました。

 

【OTSUKA M-5 Online】RG-2001 内羽根ストレートチップ×ワインハイマー (shoe-collection.jp)

 

「<」に光る職人技! │ SCOTCH GRAIN BLOG スコッチグレインブログ

 

 どうやら、何年頃にどこの誰が始めた、とかはハッキリとはわかっていないようですね

 

 ちなみに大塚製靴によれば、「単にくの字にエッジを落とすのではなく、緩い曲線を描くように削ることで先端の角度を鋭角にすることでよりエレガントに見えるようにした」のが本来のヤハズ仕上げなのだそうで。

 

 だとすると、ボートンのコバは、本来であればヤハズの仕上げとでもいうべきところでしょうか。私は、くの字でもそれはそれでカッコいいと思いますが。