先日、ネイビーのスーツを着込んだ紳士(日本人)が、上品な帽子をかぶって、革張りのアタッシュケースを提げておられるのを見かけました。これぞ英国風の趣というところでしょうか。

 

 昨今、ビジネスシーンにおける装いがカジュアル化していると言われているそうですが、そんな中でこういう方もいるのだなあ、と、なんだか嬉しい気持ちになりました。

 

 そして、立ち止まっていたその紳士が歩き出した瞬間、私は強烈にこう感じました。

 

 あ、寅さんだ、と。

 

 その紳士は、歩き出す瞬間のしぐさが、何とも寅さんだったのです。先ほどまでの英国感はどこへやら、私の脳裏には、まるで渥美清さんの歌う「男はつらいよ」のイントロが高らかに響いているかのようでありました。

 

 改めてネットで画像検索してみると、寅さんは確かによく帽子をかぶってましたし、革張りのアタッシュケースを持ってました。きっと、覚えていないようでも、脳みそは覚えていたんですねえ。

 

 それと、おそらく歩く姿勢の問題なのでしょう。寅さんの歩き方をよーく観察したことはありませんけど、勝手なイメージとしては、骨盤を後傾させ、つま先を外に向けたガニ股気味の歩き方をすると、英国紳士よりは寅さんに近づけるような気がします。

 

 なんだか微妙な書きぶりになってしまいましたが、寅さんが多くの方から愛されていることは紛れもない事実。もし本当に寅さんのようになれたなら、とてつもなく素敵なことだと思います。

 

 とはいえその道は私には険し過ぎると思うので、どちらかといえば英国方面を目指していこうと思います。

 

※この写真は京成電鉄さんのウェブサイトから拝借しました。