この記事に、ガルジョンマー(リーガル製ジョンストン&マーフィー)のLH04に大き目のシューツリーを突っ込んでサイズアップを図ったという話を書いたわけですが、そのLH04に突っ込んだシューツリーというのがこちら。
この記事にもチラッとだけ書いた、スレイプニルのシューツリー(改)です。
スレイプニルは、高級シューケアブランドとして有名なサフィールの日本における販売代理店を務めている株式会社ルボウが販売しているシューキーパーのブランドのようです。
Sleipnir(スレイプニル) | 株式会社ルボウ (lebeau.jp)
どのあたりが(改)なのかというと、あちこちを紙やすり等で削ってあります。
削る前はLH04に入れようとしても入りませんでしたが、今はどうにかムリヤリ突っ込めるようになりました。
削ったのは、例えばこんなところ。
(1)カカト(後端両側面)
シューツリーを使うときの注意点として私がたびたび目にしたことのあるのが、カカトの型崩れ問題。シューツリーのカカト部分が大きすぎて、革靴のカカトの本来の形が崩れてしまうことがあるそうです。
靴のカカトには通常、硬い芯が入っているので、ここの形が崩れてしまったらもう元に戻すのは難しいらしいですね。
削る前のスレイプニルはいかにもそういう問題が起きてしまいそうな、大ぶりのカカト形状でした。下の写真は、削る前にサルトレカミエのシューツリーと比べたもの。
下から見るとこんな感じ(これも削る前)。
カカトの太さが全然違いますよね。特に後端部が、サルトレカミエは尖っているのに対し、スレイプニルはやや角張ったフォルムというか。
スレイプニルのシューツリーには、トラディショナルモデルとヨーロピアンモデルとがあるらしいのですが(公式サイトには書かれていませんでした…廃盤になっちゃったのかな?)、このカカト形状からして、私が手に入れたのはトラディショナルモデルのようですね。ネットオークションで手に入れたので確認しようがないんですが。ヨーロピアンの方がカカトは小さいらしいです。
そういうわけでココを削って、後端がなるべく丸くなるようにしました。
(2)カカト後端上部
これは、横から見たときに、カカトの後端上部が丸くなるようにするということ。
残念ながら削る前の写真はないですが、元々はカカトの後ろ側が真っすぐ上に立ち上がるような形でした。そのままだと、履き口が拡がりすぎるような気がして、ここを丸く削りました。
(3)カカト側面
スレイプニルのカカト部分は、後端の形状だけでなく、なんというかもうパーツ全体が大ぶり。LH04に突っ込むためには、ここを細くしないといけません。
私はとりわけ内側を優先的に削りました。イメージしたのはユニオンインペリアルの後方屈曲木型。そうなったらいいなあと思いつつ…あんまりそうなっていないですけど。
(4)つま先(先端)
もしこのシューツリーがスレイプニルのトラディショナルモデルだとしたら、ヨーロピアンモデルよりはショートノーズなはずですが、なんだかそこそこロングノーズな気がします。
私はなにぶんサイズを小さくしたいわけですので、とりあえずここを削って少しラウンド寄りの形状にしました。
LH04のつま先の形は細めのスクエアですけど、まあつま先には芯が入っているはずで、そんなにピッタリ合った形を目指さなくてもよいでしょう。それよりも、サイズダウン優先で。
(5)つま先(底部)
これがいまのところ最後の削りポイント。
スレイプニルの下側はつま先まで真っ平らですが、靴にはトゥスプリングっちゅーものがあるわけだから、つま先にかけて少し上向きにしたほうがフィットするのではないか、と思って削りました。
まだまだ削りが足りないので、トゥスプリングに合わせて上向きにしたというよりは、先端を丸めただけという感じにとどまっていますね。まだまだ削らねば…。
…いや、わかってるんですよ。バカな事してるなって。
削るのにかけてる時間で働いて稼いだお金で新しいシューツリーを買う方が賢いって。
でも、いいんです。手間をかける時間を楽しむのであります。
できれば今後も少しずつ削っていって、より理想のカタチに近づけたいと思います。