わざわざ日数を開けて挑んだ心拍確認。
でも、私の心は晴れなかった。
これはお腹に宿している者のカンとでもいうのかな、気分が晴れない。
日を追うごとに体調が良くなっているように感じた。最初の判定日や、胎嚢確認の時の方がよほど体がキツかったしだるかった。
ずっと通して多少のムカムカ感はあったけど、食欲には関係なくて、よく食べたし 普段と変わらなかった。
つわりの有無が成長には関係ないことはわかっていても、妊娠が継続していく中でまさか、日に日に体調が良くなるなんてないよな…という気持ち。
心拍確認も、「え!まさか奇跡が?!」ということが起きないかな…という気持ちで挑むことになった。
そのせいもあってか、先生のお話は冷静に受け止めることができた。
担当は院長先生だった。
院長先生は、これまでも大きさについては「ちょっと小さい」(ちょっとどころかかなり小さいが)と言うだけでホルモン値などに指摘はされなかった。
不確定なことに、余計な言葉を使って不安を煽っても仕方ないというお考えなのではないかしら。
今回は
「とても厳しい」
「ホルモン値も前回より増えてるとはいえ、伸び率が悪いのでいいとは言えない。今の時期なら数万単位あるのが正しいので…」
など。
院長先生にしては、初めてネガティブな、それでもどうにか抑えた言葉を選んで伝えて下さった。
その説明を聞いてたら
「もう無理」ということなのだな。ということはハッキリと理解できた。
エコー写真を見ればそれは明らか。
胎嚢の中身が空っぽだったのだから。
心情的にはこれがある意味救いだった。
なにもない。
もし、ここに胎芽などが見えていたらきっと、悲しみは何十倍、何百倍だと思う。
「なにもない」ということが救い。
悲しいけど、現実はこうだったと受け止めることができた。
困ったのは夫氏の対応
「でも、、まだ様子を見ればなんとかなったりとかはしないんですか?」と食い下がる。
夫氏はなんでもググる検索魔なくせに ダメかもしれない情報についてまったく検索してないのだ。
知りたくないんだと思う
思ったよりナイーブなんだな…
なので、大前提にある「大きさが週数にまったく見合っていない」という指摘さえも「でも、成長が遅れてるだけでは?」という考えから抜け出せていなかったので、そうやって食い下がるのだ。
院長先生は、ちょっと困った感じで「もちろん、様子を見るのもいいと思います。ただ… 厳しいようですが、恐らくは…難しいかと。」と続けた。
子を宿してる私と、先生はもうハッキリと理解してるのに対して夫が納得いっていないという変な構図。
あのまま、夫氏がまだまだ食い下がる姿勢だったらブチ切れてたかもしれない
「ダメなもんはダメなのっ!!!」とかって。
最後に先生が、
「でも…!こうして着床して妊娠をした、というのは大きいですし、次につながると思います。」と言ってくれたので、夫氏もようやく落ち着いた。
とは言え…。
それでも帰り道
「でもまだ大逆転あるかもしれないよね」と言う夫氏。
それが一番、つらかった。
励ましのつもりかもしれないが、一番身近で見ているあなたが、一番理解してほしい。現実を見てほしい。
でも、きっと夫も傷ついたのだろう…
ダメになったことに対して。
毎日のように初たまを開いては、
「ねえ、〇〇は食べちゃダメだって!」とか
「今はこういう器官が作られてるんだって」とか
ワクワクが止まらない感じだったもの。
よほど、妊婦本人よりもあの初たまを読み込んでるだろうね。
だから「大逆転があるかも!」と言ってる夫氏には笑顔で「そうだね」と答えるのが精一杯だった。
初採卵から、初期胚の初移植。そして着床。
とにかく初めての体外受精が想像以上にトントン拍子で進んだけれど、最終的にはたまごの質(染色体異常)で振り出しに戻ってしまうという結果に。
着床した分、ここから数ヶ月(予測では4、5ヶ月)空白の時間を過ごすことになるんだな…。
41歳、終わっちゃうな…。