5月14日の午後は、巣箱を出た3羽のヒナが1ヶ所に集まり、親鳥も来ていたし、普通なら巣箱の中で行われる子育てを観察ことになりました。
全身全霊で親を慕うヒナたちとかいがいしくヒナを世話する親鳥には、感動するものがありました。
親鳥には、巣を出てしまってあきらめる様子は微塵もありませんでした。
けれども、気がかりなことはもちろんあります。
巣がないのに、夜が来ます。
木々の枝葉に見立てた所に隠れていても、所詮は地面の上です。
ネコが見つければひとたまりもありません。
どうにも心配なので、仮の巣を作ってみました。
アケビのつるで編んだはけごの口を麻紐でからめて、カラスや猫が届かなくしました。
それを段ボール箱に入れました。
もうヒナたちに触らないことにしているので、ただ近くに置いてみました。
親は一瞥もしませんでした。
親の経験則から、「安全だ」と確信している物以外受け付けないのでしょう。
親が信じているものは、木々の枝葉に紛れることです。
おもしろいと思うのは、ヒナたちがてんで勝手に見に来たりはしないことでした。
親の判断を信じて、すばらしい統制で木陰にいました。
日没近く、親鳥は飛んでいきました。
(親は巣の中では寝ないのです。)
飛べないヒナが3羽、地面に残されました。
(つづく)