赤ちゃんと告知の描写があります。
苦手な方はスルーしてください。

NICU*5日目
朝イチの搾乳をしていたら、
なんとも言えない空しさが込み上げてきた。
まめは本当におっぱい飲めるようになるんだろうか…

そうしていたら、
まめにたまらなく会いたくなって、
NICUに向かった。

その日最初に部屋に入る時、
その時はドキドキがMAXだ。
逢える嬉しさと、
わからないなりに少しずつわかってくる数値がすぐに目に入るから。

やっぱり今日もおしっこは出ていなかったけど、
可愛いさだけは日に日に増していく。
遅れてきた旦那が手を触ると、
少しだけキュッとにぎる。

デジカメカメラの許可がでたので、
3人手を繋いで
写真を撮った。
この時の写真が、
最初で最後の家族写真になった。

NICU*6日目
朝母と旦那が来てくれた。

主治医の先生から声がかかる。
雰囲気から、
あまり良い話ではないのは
何となく察することができた。

まだ尿が作れていない事、
このまま輸血を続けても体の浮腫みの弊害が出てくるため、
輸血を止める事も考慮する段階にあるとの事。
(その場合、血圧の低下などある意味覚悟が必要になる事)

極めつけは、
もしもの時、
心肺蘇生をするかどうか考えておいて欲しいとの事だった。
心臓マッサージを続けると、
赤ちゃんの骨は折れてしまうそうだ。

そして先生が聞いた。
『何かしたいことはありますか?』
と。
旦那が『抱っこがしたいです』
と言った。
本当は私達もわかっていた。
出血の為、鎮静剤を使ってまで安静にしているまめを抱っこできるのは、
“最期”だと言うことを。

先生は『では、その時は言いますね』と。

私は『おっぱいをあげたいです』
と言った。
まだ心のどこかで思っていたから。
おっぱい飲んだら、
この数日の事が嘘みたいに
元気になるんじゃないかって…。

それからまめの側に行って、
母乳を浸した綿棒で唇をトントンした。
まめに届いたかな?
味わってくれたかな?

帰宅途中に出産した産院に寄って挨拶をした。
皆仕事を中断して出て来てくれて、涙を流してくれた。

帰宅後もう一度NICUに向かった。
まめの枕元にヒヨコのラトルが置いてあった。
院長先生サンタクロースからのプレゼントだった。

そうか…
今日はクリスマスイブだったんだ。