人の勧めがあり京橋にあるフィルムセンター(いまは、名称は違うようです)で鑑賞した。1958年の作品で主演は三船敏郎。同監督の1943年版はGHQにより密やかな愛の告白シーンは削除されたらしいが1958年版は愛の告白シーンがある。
夫を戦争で亡くし一人で子育てをする母と子供に腐心する男の物語りだ。
無法松というあだ名が鍵だ。喧嘩早くて酒好きだが情に厚い男が、惚れた女の大切なものを守ること事で無法者が人の世の掟を行動で伝える。
密かに慕っていた事を告白するが実ることはなかった。禁止していた酒を溺れるように呑んで雪の中に消えていく。椿の花だったろうか。雪の積もる花を見つめながらその生涯を閉じる。子供だった少年は大人になり無法松を追想する。あの男がいなければ自分も母も生き残れなかったと。
フィルムセンターでは涙が止まらなかった。報われないと思っていても惚れた女に腐心する。自分もそうなれたら。