管理栄養士国家試験過去問解説17 | 管理栄養士国家試験と研究と私

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こんにちはニコニコ
先週に引き続き、妊婦さんに関する問題です。


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母乳に関する記述である。正しいものはどれか。2つ選べ。

(1)初乳には、成熟乳よりラクトフェリンが多く含まれている。
(2)牛乳には、母乳よりラクトアルブミンが多く含まれている。
(3)吸てつ刺激は、プロラクチンの分泌を高める。
(4)分泌型IgAは、初乳より成熟乳に多く含まれている。

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母乳の特徴、管理栄養士国家試験を受験する上では必須ですひらめき電球
ついつい難しい問題にチャレンジしがちですが、
出るところをまずはしっかり覚えることが、合格への近道ですよニコニコ


では、まずは正解から。
正解は… (1)と(3)です。



◯(1)初乳には、成熟乳よりもラクトフェリンが多く含まれています
これを丸暗記するのは、大変ですよね?
試験で出たときに、どっちだったっけ?となってしまいます。

ラクトフェリンは、抗菌物質の1つで免疫に関係します。
生まれたての赤ちゃんはまだ免疫機能が充分ではありません。

生まれたての赤ちゃんをいろいろな菌から守るために、初乳には成熟乳よりもラクトフェリンが多く含まれているんですよ。

ちなみに、初乳は生後3~5日、成熟乳は生後2週間以降の母乳をさします。


×(2)母乳には、ラクトアルブミンが多く含まれていることが特徴です。

まず、絶対に覚えなくてはいけないポイントは、
牛乳と比較して、母乳はたんぱく質が少ない
母乳のたんぱく質自体は少ないですが、
母乳に多く含まれるたんぱく質は、ラクトアルブミン
牛乳に多いたんぱく質は、カゼイン

です。


◯(3)吸てつ刺激により、プロラクチンの分泌は高まります
プロラクチンは、乳汁を産生するホルモンです。

吸てつ(赤ちゃんが母乳を飲む)刺激によって、お母さんの乳汁産生ホルモンの分泌が高まる。高まってくれないと赤ちゃんが困りますよねむっ

プロラクチンと一緒に覚えておきたいのが、オキシトシン。
オキシトシンは射乳ホルモンで、脳下垂体後葉から分泌されます。


×(4)分泌型IgAは、成熟乳よりも初乳に多いのが特徴です。

IgAイミュノグロブリン=免疫グロブリンAなので、免疫に関わっています。
免疫、つまり身体を守るためのものは、初乳に多く含まれています
(1)のラクトフェリンと、IgAが初乳に多いということをしっかり覚えておきましょう。


今日、絶対に覚えて欲しいことをまとめます。

母乳にはたんぱく質が少ない(牛乳と比べて)。
母乳中に多いたんぱく質はラクトアルブミン。
牛乳に多いたんぱく質はカゼイン

②初乳には免疫系(身体を守る)ためのものが多くふくまれる。
初乳には、ラクトフェリン、IgAが多く含まれる


母乳の特徴で覚えて欲しいものはまだありますが、
この2つを覚えていなかった方は、一度に全部覚えようとせず(覚えるにこしたことはありませんが)、まずはこの2つをしっかりと覚えておきましょうニコニコ


一度に全部覚えようとせず、
まずは「これだけは覚える!」ということが大切です。
今から焦って全部完璧に丸暗記しようとすると、国家試験までもちません。

全部中途半端より、これだけは自信がある!という方が得点は確実に上がりますよひらめき電球

では、また来週~~~