管理栄養士国家試験過去問解説15 | 管理栄養士国家試験と研究と私

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管理栄養士国家試験の合格に向けて、過去問解説をしたりします。研究や学会、食品や栄養のお話もします。


う~み~は~ひろい~な
おおき~いなぁ~~波

今日は海の日です。

海の日をエンジョイする方も、
お仕事の方も、

管理栄養士国家試験過去問解説をお忘れなくぶーぶー


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生理活性物質とその前駆体のアミノ酸に関する組合せである。
正しいのはどれか。

(1) 一酸化窒素(NO) ーーー メチオニン
(2) γ-アミノ酪酸(GABA) ーーー グルタミン酸
(3) セロトニン ーーー チロシン
(4) ヒスタミン ーーー ロイシン
(5) アドレナリン ーーー トリプトファン

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正解は…(2) です。


×(1)一酸化窒素(NO)は、アルギニンというアミノ酸から生成されます。
一酸化窒素は、血管を広げる働きがあります。

ちなみに、狭心症ではニトロ(N)グリセリンという薬を舌下投与ます。狭心症は、一時的に血管が狭まって胸が苦しくなる病気です。その時に、ニトログリセリンを投与して、心臓の血管を拡張させます。


◯(2)グルタミン酸(アミノ酸)からγ-アミノ酪酸(GABA)が生成されます。
グルタミン酸からγ-アミノ酪酸ができる反応を、アミノ酸の脱炭酸(脱カルボキシ)反応といいます。

ちなみに、γ-アミノ酪酸(GABA)は、抑制性の神経伝達物質です。
つまり、落ち着く方に働くということです。



×(3)セロトニンは、トリプトファンというアミノ酸から生成されます。
この反応も、(2)と同様に、アミノ酸の脱炭酸(脱カルボキシ基)反応です

セロトニンは、ふわ~っとして眠いときに出ている神経伝達物質です。


×(4)ヒスタミンは、ヒスチジンというアミノ酸から脱炭酸(脱カルボキシ基)反応により生成される神経伝達物質す。


ヒスタミンは、かゆい時、くしゃみが出るときなど、アレルギー反応が起きているとき出ている神経伝達物質です。


ちなみに、問題文にあるロイシンは、分岐鎖アミノ酸の1つです。


×(5)アドレナリンは、チロシン(アミノ酸)から脱炭酸(脱カルボキシ基)反応をへて生成される神経伝達物質です。

アドレナリンは、興奮性の神経伝達物質です。
ライオンに追いかけられた時(そんなシチュエーションない!?などに放出されます。


(2)~(5)はアミノ酸の脱炭酸(脱カルボキシ基)反応により生成される神経伝達物質でした。
これは管理栄養士国家試験では絶対に落としてはいけないポイントなので、まとめます。


【アミノ酸の脱炭酸(脱カルボキシ基)反応】
アミノ酸からカルボキシ基が外れて、生理活性物質ができる反応。

グルタミン酸 → γ-アミノ酪酸(GABA)
ヒスチジン → ヒスタミン
・(フェニルアラニン)→ チロシン → ドーバ → ドーパミン → ノルアドレナリン→アドレナリン
トリプトファン → セロトニン → メラトニン

青色で示した部分が、アミノ酸の脱炭酸(脱カルボキシ基)反応です。


アミノ酸の脱炭酸(脱カルボキシ基)反応のポイント。
①青字部分を覚える
②アミノ酸の脱炭酸(脱カルボキシ基)反応では、生理活性物質(ねむい、かゆい、など)ができる


アミノ酸から生理活性物質ができるんです。
ということは、たんぱく質(アミノ酸がたくさんつながったもの)を食べないと、
生理活性物質がつくられなくて困ってしまいますね叫び

アミノ酸って大事!!



では、また来週~~~