管理栄養士国家試験過去問解説8 | 管理栄養士国家試験と研究と私

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管理栄養士国家試験の合格に向けて、過去問解説をしたりします。研究や学会、食品や栄養のお話もします。


おはようございますニコニコ
6月第1回の過去問解説です。

さっそくいってみましょう♪

じゃらん得意げ(クイズ番組風?)

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糖質の代謝に関する記述である。◯か×か?

(1) へキソキナーゼは、糖新生系の律速酵素である。
(2) 肝臓には、グルコース-6-ホスファターゼが存在する。
(3) グリコーゲンが加リン酸分解されると、グルコースが生成する。

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ちっちっちっちっち・・・
ぶーーーーーーーー!!


×(1) へキソキナーゼは、解糖系の律速酵素です。
律速酵素は、反応のスピードを決める酵素です。
律速酵素は一番反応のスピードが遅いんです。

例えば、20人21脚をした時に、ものすごく遅いヤツ。そいつが律速酵素です。
そのものすごい遅い律速酵素くんをせかしてやれば、全体のスピードが速くなりますよね。

解糖系には、3つの律速酵素があって、その1つが「へキソキナーゼ」です。
グルコースから、グルコース6リン酸に変換される(つまり、解糖系の一番最初の反応)ときに必要な酵素がへキソキナーゼです。


残りの2つの律速酵素は、ホスホフルクトキナーゼとピルビン酸キナーゼです。
今日は、とりあえずへキソキナーゼをしっかり覚えておきましょう。


◯(2) 肝臓にはグルコース-6-ホスファターゼが存在します
先週の復習ですニコニコ

一方で、筋肉にはグルコース-6-ホスファターゼは存在しない

グルコース-6-ホスファターゼは、グルコース6リン酸からグルコースに変換するときに必要な酵素でしたね。
グリコーゲン分解してグルコースを作るためには、グルコース6リン酸からグルコースに変換される必要があるんです。

だから、肝臓のグリコーゲンはグルコースを作ることができるため、血糖の維持をすることができる。
筋肉のグリコーゲンはグルコースを作ることができないから、血糖の維持はできない、ということなんです。


×(3) 
グリコーゲンが加リン酸分解されると、グルコース-1-リン酸ができます
グリコーゲンが分解されるときに起こる反応、加リン酸分解といいます。(加リン酸分解は、管理栄養士国家試験ではここしか出ません!)

グリコーゲンが加リン酸分解されてグルコース-1-リン酸→グルコース6リン酸→グルコース…とグルコースが産生されます

もちろん、しつこいですが、
肝臓のグリコーゲンはグルコースに変換することができて、
筋肉のグリコーゲンはグルコースには変換できませんよ。



今日はここまでにひひ
また来週音譜