管理栄養士国家試験過去問解説2 | 管理栄養士国家試験と研究と私

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管理栄養士国家試験の合格に向けて、過去問解説をしたりします。研究や学会、食品や栄養のお話もします。

おはようございますおやしらず

4月も真ん中です。
4月は環境がかわらなくても、なんだか少し気分が変わりますよね。
(私だけでしょうか…?)

寒い冬より、ぽかぽかの春の方が、気分も軽い気がします晴れ
今週もスベスベマンジュウが二をよろしくお願いします。(?)笑


今日は、管理栄養士国家試験の受験生なら絶対に覚えなくてはいけない
「リポたんぱく質」に関する問題です。


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脂質の体内輸送に関する記述である。◯か×か?


(1) カイロミクロン(キロミクロン)は、食事から吸収されたトリアシルグリセロールを輸送する。

(2) VLDLのトリアシルグリセロールは、そのままのかたちで脂肪組織に取り込まれる。

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脂質の体内輸送に関する問題です。
食べた脂質や、体内で合成した脂質を運ぶには、
リポたんぱく質」という運び屋さんが必要です。

ドレッシングなどを思い浮かべるとわかりやすいですね。
油と水は分離します。
血液を水と考えると、血液中に油が入ってきたら、分離して困ってしまいます。
それを防いでくれるのがリポたんぱく質です。

このリポたんぱく質には、
食べた脂質を運ぶ「キロミクロン」と、
体内で合成された脂質を運ぶ「VLDL」があります。


◯(1) くり返しになりますが、カイロミクロン(キロミクロン)は、食事から吸収されたトリアシルグリセロール(油)を輸送します。
このカイロミクロン(キロミクロン)は、小腸で合成されます。

トリアシルグリセロールが
、カイロミクロン(キロミクロン)の中に包まれることで、分離せずに血液中を移動することができます。


×(2) VLDLのトリアシルグリセロールは、そのままのかたちではなく脂肪酸とグリセロールに分解されて細胞に取り込まれます

VLDL
トリアシルグリセロール?

1つずつ、解説しますねニコニコ

VLDLは、肝臓で合成された油(トリアシルグリセロールやコレステロールエステル)を運ぶリポたんぱく質です。


トリアシルグリセロールは、グリセロールと脂肪酸3つからなる油です。
このままのかたちだと取り込むには少し大変なので、
取り込むときには、脂肪酸とグリセロールに分解します。

分解するのに必要な酵素が、「リポたんぱく質リパーゼ」です。


まとめます。

肝臓で合成された油を包むリポたんぱく質はVLDLで、
VLDLはリポたんぱく質リパーゼの作用によりグリセロールと脂肪酸に分解されて、細胞に取り込まれる(細胞にとりこまれたあと、再びトリアシルグリセロールのかたちになる)。



今日は少し覚えることが多いですが、
リポたんぱく質について、まず、絶対に覚えておきたいポイントは、

キロミクロンは、食べた油を包んで運ぶリポたんぱく質 【小腸で合成】

②VLDLは、体内で合成された油を包んで運ぶリポたんぱく質 【肝臓で合成】


です!!


次週もリポたんぱく質について解説しますひらめき電球
では、また来週~