管理栄養士国家試験過去問解説44 | 管理栄養士国家試験と研究と私

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おはようございますニコニコ
今日は3月3日。ひなまつりですおひなさま

ひなまつりでも管理栄養士国家試験過去問解説です。


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消化に関する記述である。正しいのはどれか。
(1) セクレチンは、膵液の分泌を抑制する。
(2) セクレチンは、胃酸分泌を促進する。
(3) セクレチンは、胃内容物の十二指腸への輸送を促進する。
(4) 膵臓から分泌される、たんぱく質の消化酵素は、プロ酵素である。
(5) 膵液中には、トリプシン阻害物質が含まれていない。
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正解は・・・(4)です。

×(1) セクレチンは、膵液の分泌を促進します。
これは、セクレチンの大事な役割です。

セクレチンは、十二指腸のS細胞から分泌されて、膵液の分泌を促進します


×(2) セクレチンは、胃酸分泌を抑制します。
セクレチンが分泌されているということは、十二指腸での食べ物の消化が行われています。
そんな時に、胃酸の分泌がどんどん促進されたら(=胃から十二指腸にどんどん食べ物が送られてしまう)、十二指腸がパニックになってしまいますよね。
セクレチンが分泌されると、胃酸の分泌は抑制されます。


×(3) セクレチンは、胃内容物の十二指腸への移送を抑制します。

(2)の解説と同様の考え方です。
セクレチンが出ているときに、胃から十二指腸にどんどん食べ物が移送されてきたら、大変です。
セクレチンが出ているときは、十二指腸での消化を進める為に、胃からの食べ物の移送は抑制します。

逆に、胃から分泌されるガストリンは、胃での食べ物の消化をすすめるホルモンなので、ガストリンが分泌されると、胃内容物の十二指腸への移送が促進されます。


◯(4) 膵臓から分泌されるたんぱく質分解酵素は、プロ酵素です。
プロ酵素の「プロ」は前駆体という意味です。
つまり、膵臓から分泌されるたんぱく質分解酵素は、前駆体のかたちで分泌されるということです。

たとえば、膵臓から分泌されるたんぱく質分解酵素はトリプノーゲン(前駆体)です。トリプシノーゲンはトリプシン(活性型)に変化します。

膵臓から分泌されるときに、もし「トリプシン」のかたちだったら、
膵臓自体が分解されて大変なので、トリプシノーゲン(前駆体)で分泌されます。


胃から分泌されるたんぱく質分解酵素「ペプシン」も同様で、
胃が分解されないように、ペプシノーゲン(前駆体)のかたちで分泌されて、
胃酸によって活性化されて、ペプシンになりますよねひらめき電球


×(5) 膵液中には、トリプシン阻害物質が含まれています。
トリプシン阻害物質があるから、膵臓が消化されずにいられるんです得意げ


へぇ~~~
身体ってかしこい!!!