管理栄養士国家試験過去問解説30 | 管理栄養士国家試験と研究と私

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管理栄養士国家試験の合格に向けて、過去問解説をしたりします。研究や学会、食品や栄養のお話もします。



あっというまに12月です。
師走ですが急がず?いつも通りに過去問解説やりますシラー


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朝食欠食者に対する行動変容ステージ(段階)に対応した支援についての記述である。正しいのはどれか。

(1)無関心(前熟考)期の人に、「明日から朝食を食べる」と宣言させる。
関心(熟考)期の人に、簡単朝食メニューを提案する。
(3)準備期の人に、朝食を食べないままの生活ではいけないと気づかせる。
(4)実行期の人に、朝食メニューのある飲食店の情報を提供する。
(5)維持期の人に、朝食を食べることの重要性を理解させる。
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正解は・・・(4) です。

「こういうのは勘でしょ!!」
でいつも正解する方もいるかもしれませんが、
こういう問題こそ、本番になると、
「これ正解?いいや、こっちが正解?」
なんて迷う問題です。

なので、ほんのすこ~し、理屈をつけておきましょうクラッカー


まず、行動変容ステージ5つを簡単に覚えましょう。

前熟期(無関心期):行動する意思がない時期。
「朝食~?朝は時間ないから無理だよ~べーっだ!」という感じの時期

熟考期(関心期):6か月以内に行動してみてもいいかな~という気持ちが芽生えている時期
「朝食を食べないとマズいかな~」と少し気づき始めるが、まだ行動変容までは遠い段階

準備期:そろそろ本気で行動してみようかな~という時期(行動変容まであと少し)
朝食を食べる重要性はわかったけど、時間もないし、何を食べたら良いのかな?」というもう少しで行動変容しそう時期

実行期:とりあえず行動を起こし(行動変容)けれど、まだ長くは続いていない時期
「最近朝食食べ始めたよ!」という段階

維持期行動がず~っと続いている状態
朝食食べるのは当然だよ得意げ」という段階



×(1)無関心期の人は、まだ行動しようという気が全くない段階です。
行動する気がないのに、「明日から朝食を食べる!」なんて宣言させてもやってくれないですよね。

×(2)関心期の人は、とりあえず朝食食べた方がいいのかな~。でもめんどくさいな~。とまだやる気度が低い段階です。
簡単朝食メニューを提案することは良いことですが、まだハードルが高すぎます。
簡単メニューを提案すると効果的なのは、維持期に入っていて、これからも負担なく続けられるようにサポートする段階に入っている人です。


×(3)準備期の人は、行動変容する一歩手前の人ですので、既に「朝食を食べないままの生活ではいけない!」ととっくに気づいています。
朝食を食べないままの生活ではいけない」と気づかせる段階は、熟考期(関心期)の人です。

◯(4)実行期の人は、いよいよ行動変容した人です。
これからしっかり朝食を食べる習慣ができるように、朝食メニューのある飲食店の情報を提供することは有効です。

×(5)維持期の人は、もう朝食を食べる重要性に気づいて、朝食をしっかり食べる習慣がついた人です


問題には、
あと6か月は朝食を食べる気がない。」
とか
朝食を食べ始めてまだ3日です。
とかいう風には書いてくれません(笑)

なので、自分で問題文を読んで、

まだ興味がないのか?=前熟考期(無関心期)
行動変容にはまだほど遠いのか?=熟考期(関心期)
もうそろそろ行動変容を起こしそうなのか?=準備期
行動変容を起こしたのか?=実行期
行動変容が持続しているのか?=維持期

を読み取る必要があります。

なかなか選択が難しい問題もありますが、
本番に向けて、勘ではなく、ある程度決まりを持って選択できるようにしておくと、
得点力が上がりますよひらめき電球