酵素を食べる・・・ということ | 管理栄養士国家試験と研究と私

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管理栄養士国家試験の合格に向けて、過去問解説をしたりします。研究や学会、食品や栄養のお話もします。

これまでも、何度か考えてきましたが・・・

酵素を食べる・・・ということについて、考えたいと思いますかお


加齢とともに、身体の酵素が減少するので、酵素を食べましょう。


という考え方です。


加齢とともに、身体の酵素が減少する。


これは概ね正しいと思いますが・・・


酵素を食べましょう。


は残念ながら正しくはありません。


身体の酵素が減少するから酵素を食べる。

という考え方は、

加齢とともに、髪の毛が減ってきたから、髪の毛を食べる。

というのに似ています。

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極端な例ですがシラー


酵素の本体はたんぱく質です。

たんぱく質は、アミノ酸が沢山つながったものですから、吸収される時は、ただのアミノ酸です(アミノ酸が2個つながった状態で吸収される時もあります)。


生きている酵素を食べたとします。

この酵素が胃に入ると、胃酸でぐにゃぐにゃにされます。

この時点で、酵素は生きていられません。

さらに、この酵素は、ペプシンという消化酵素で、バラバラにされます。


つまり、生きている酵素を食べても、胃に入れば、ただのたんぱく質です。


さらに、血中に出てくる時は、ただのアミノ酸です(アミノ酸が2個つながっている時もあります)。

酵素は、もうどこにもいないんです。


したがって・・・


酵素を食べるということは、決して身体に悪いわけではありませんが、特別に身体に良いわけでもありません。生きている酵素でも、生きていない酵素でも、同じことです。