助けたツルの恩返し(岡山県の民話) | さなの僕のレストラン2攻略、アニメ情報、食事日記♪

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 むかしむかし、岡山の瀬戸内海にうかぶ大きな島に、親子の三羽のツルがわたってきました。

 三羽が仲よくエサをついばんでいると、そこへタカが飛んできて子ヅルに襲い掛かり、脚の爪にひっかけて逃げ去ろうとしました。

 ところがタカはバランスを崩して、子ヅルを海へ落としてしまったのです。

 親ヅルたちは必死に海に落ちたわが子をすくおうとしましたが、手だてがありません。

 うろうろしていると、さいわいなことに島の漁師がこれを見ていて、舟を出して子ヅルを助けました。

 そして空へもどしてやろうとしましたが、子ヅルは羽をバタバタさせるばかりです。

「おかしいのう。怪我でもしたのか?」

 漁師は子ヅルをつれて帰ると、庄屋さんのところへ連れていきました。

 庄屋さんは子ヅルを調べて、やがて脚を痛めていることがわかりました。

 庄屋さんは子ヅルをあずかると薬を調合して、添え木などをあてて介抱してやりました。

 そのおかげで一月ばかりすると、子ヅルの脚は治りました。

 ある日の夕方、子ヅルは思いきり羽をひろげて羽ばたきはじめ、親鳥たちがねぐらにしている島へ飛び去っていきました。

 さて、それから三年ほどたった年の正月の事です。

 朝早くから、二羽のツルが庄屋さんの家の上空を舞いつづけていました。

 日中は山の方へ帰っていきましたが、夕方になるとまたやってきて、二度三度、家の上空を舞って去っていきました。

 そこへ、庄屋さんの家で働いている若い男が走りこんできたのです。

 若い男は、にぎっていた十センチばかりの黄色い棒きれのようなものを二本、庄屋さんに見せました。

「なんじゃな、そんなにあわてて。うん? ・・・これは!」

 庄屋さんの顔色が、さっとかわりました。

 棒きれかと思ったものは、万病にきくという、高価な朝鮮人参だったのです。

「こんなもの、どこでひろったんじゃ。朝鮮人参など、島にあるわけがない」

「はい、家の前に落ちていました。そういえば、朝早くから二羽のツルが家の上を何度も舞っていましたから、もしかすると」

 日本にはない朝鮮人参が、そのへんにあるはずはありません。

 若い男がいう通り、朝鮮から海をこえてわたってきたツルが、口にくわえてきたのでしょうか。

 庄屋さんは二本の朝鮮人参を見つめながら、ツルの恩返しに感謝しました。

おしまいでーす♪(〃⌒ー⌒〃)ゞ