カニの甲羅の毛(鹿児島県の民話) | さなの僕のレストラン2攻略、アニメ情報、食事日記♪

さなの僕のレストラン2攻略、アニメ情報、食事日記♪

GREEの僕のレストラン2の攻略記事やアニメの感想、毎日の食事、購入したマンガや小説の感想など♪


 むかしむかし、サルとカニが餅をつくことになりました。

「カニどん、おらが餅をついてやるから、カニどんは餅米を持ってきてくれ」

 カニは家から餅米を持ってくると、サルに渡しました。

「よしよし。ではカニどん、おらが餅をついてやるから、カニどんはこの餅米を蒸してくれ」

 カニは言われた通り、餅米を蒸しました。

「よしよし、ではカニどん、おらが餅をついてやるから、餅をつくためのうすときねを持ってきてくれ」

 カニはうすときねを持っていなかったので、山へ行って木を切り倒し、自慢のハサミでうすときねを作りました。

 カニからうすときねを受け取ったサルは、やれやれと言うように首を横に振って言いました。

「だめだめ。うすはいいが、こんな曲がったきねじゃ、餅はつけんよ」

 しかたなくカニはまた山へ行って、きねにぴったりの木を探しに行きました。

 さて、その間にサルは曲がったきねとうすで餅をつくと、その餅をもって柿の木に登ってしまいました。

 やがてカニは、まっすぐのきねを持って帰ってきましたが、サルは木の上でつきたての餅を食べようとしています。

「やあ、カニどん。残念だけど餅は全部いただくよ。ほしかったら、ここまできてみなよ。まあ、カニの足ではここまで登れないだろうけどね。ウッキキキ」

 木の上からバカにするサルに腹を立てたカニは、持っていたきねでサルの登った柿の木を思いっきり叩きました。

 ドーン!

 するとその振動でサルはバランスを崩して、食べようとしていた餅を落としてしまったのです。

「しまった!」

 サルが慌てて木から下りてみると、カニは餅をつかんで地面の穴の自分の家に持って行った後でした。

 サルはカニの家の戸を叩くと、言いました。

「悪かったカニどん。あやまるから、おらにも餅をわけてくれ」

「・・・・・・」

 カニは餅をしっかりとつかんだまま、返事をしません。

「わかった。カニどんが前から欲しがっていた毛を一本やろう。毛が生えていると暖かいぞ」

「・・・・・・」

「じゃあ、毛を二本でどうだ?」

「・・・・・・」

「じゃあ、毛を三本だ」

 なんともせこい交渉ですが、意外にもカニは納得したらしく、サルから毛を三本もらうと餅を半分にして、片方をサルに分けてあげました。

 その時からです。

 サルの毛は三本少なくなって、代わりにカニの甲羅に毛が生えるようになったのは。

おしまいでーす♪(〃⌒ー⌒〃)ゞ