日本一のラーメン屋になりたくて親方の下で
厳しいラーメン修行の日々

オイラいつか絶対にサッポロ一番
を超える 
ラーメンを作ってみせるんだ

さっ今日も頑張るぞ












バッキャローっ
ケン!オメーは何度言ったらわかるんだっ


ラーメンは湯切りが大事なんだよっ

しっかり切れと言ったけどな
 

中華包丁で
麺切ってん
じゃねーよ怒

湯切りってぇのはな

ダボを使って湯を切るんだよっ
このダボ

ひぃ〜
すいやせーんっ

もぉ
怖くて厨房に居らんねーよ


くぅ〜


ちょ、ちょっくら佐々木さんちに
どんぶり回収に行って来やぁぁぁぁぁぁすっ










ピンポーン

ピンポーン


はーい どちら様ー?

あらケンちゃん

お、奥さん… 
ど、どんぶり回収しに来やした…

奥さん…


ケンちゃん
ちょっとどうしたの目が真っ赤よ

ケンちゃん
ケンちゃん泣いてるのね

何があったの?

じ…実は
オイラまた下手こいちまって…涙

親方に怒られたのね?

可愛そうに…
こっちいらっしゃい
抱きしめてあげる

お、奥さぁぁぁぁぁぁぁぁん 涙



奥さん…

奥さん…

あぁ 

こうして奥さんの全っっったく運動なんか
してないだろうなって柔らかさの
二の腕に包まれ

決して張りは無いけど
「いち髪」シャンプーで洗ったであろう
髪の毛の香りが…

オイラは…
オイラは…

あぁ


ケンちゃん
もう嫌な事なんか忘れて
元気出して

ケンちゃん
元気…出し…



…て



めちゃくちゃ
元気じゃない!
おへその下
元気じゃない!
びんびん
じゃない
ケンちゃん!


奥さんっ

ハァハァ…

ケンちゃんっ

ハァハァ…














返さないどんぶり


佐々木家の奥さん
出前のケン



返さないどんぶり

二人が逢える

いけない
どんぶり