お腹の赤ちゃんを守れなかった私。


小さくもたくましく成長を遂げていた
息子の命を救えなかった私。
 

息子がいなくなって、
ただひたすらに空っぽになった私。




なかなか立ち上がれずにいた。




自分がこんなに弱いなんて思わなかった。

こんな弱い自分に何の価値があるんだろう。



今までだっていろんなものとたたかってきた。
男性社会の中で女性がキャリアを積むことは、
容易じゃなかった。


いろんな困難や、
様々な理不尽と、


たたかってたたかって、乗り越えてきた。



そんな「強さ」が私だった。
強くあることが、私らしくあることだった。


そんな私から「強さ」をとったら、
何が残るんだろう?





私は強くなんてなかった。


テレビで流れるオムツのCMの赤ちゃんを見て、
涙が出る。


休んでいても、毎日のようにくる仕事の連絡に、
嫌気がさして逃げ出したくなる。


息子のことを思うと、いたたまれなくて、
胸がぎゅーっと締め付けられる。



立ち止まって前を向けない。
そんな弱くて小さい1人の人間だった。


こんな弱い私は、誰にも必要とされない。
思えば思うほどに辛くて。




とにかく立ち上がらなきゃ、
とにかく強くならなきゃ、
呪文のように自分に言い聞かせてた。





新しい命を生み出すという奇跡を起こした、
世の中のお母さんたちが、
眩しくて、
強くて、
美しい。






本当に本当に、心から尊敬します。
お母さんって、新しい命って、すごいんだと。