夫運転でパン屋へ行く途中、道が道路工事で一車線になっていた。

簡易信号があるが作動はしていない。フランスあるある。 日本では絶対ありえないが。


道路はほぼ直線で1車線の終わりまでなんとか見通せるが、その距離は結構長いし、対向車もどんどんくる。

これ通るの無理でしょ、と私は思ったが、夫は壊れた信号機を一瞥し対向車がやってくるのも構わずスピードを上げて進んで行き、ちょっとだけ道が広くなっているいくつかのポイントで対向車数台とギリギリにすれ違い、無事、信号機なしの一車線を通り抜けた。



こういう時、ガンガン我が物顔で飛ばしてくる車が優先となり、恐る恐る通る車は僅かながら道に幅がるすれ違いポイントで待つことになるがそこに入るとなかなか抜け出せない。

すれ違いポイントから抜け出す術は、やはりちょっとの隙をついて抜け出しスピードをあげて対向車を威嚇する事だ。 こんな道路で弱肉強食が繰り広げられる。


無秩序の世界は弱肉強食である。


日本人は決められたルールの中で良いパフォーマンスを上げるが、不測の事態に弱いって言われてるけれど、多分そうじゃない。

世界のほとんどは日本ほどの秩序がないから不測の事態に溢れていて、小さい頃から知らず知らずその対処法を身につけているのだろう。

対処法って、結局は弱肉強食なのだけれど。


だから日本人ももっと弱肉強食を学ばないとこれからやってくる移民に食い尽くされるかも知れない。

手始めにフランスの信号機を輸入したらどうだろう。


なんてバカなことを考えながら早めの1人アペロ。

コワンロトローとレモン汁に砂糖水を入れ炭酸で薄める。

グラスがワイン用なのは気にしないで。



ああ、家に誰もいない仕事が休みの日。幸せ。