我が家の長女さん(3歳)、この春2021年4月から年少になります。

2023年11月には小学校を受験予定。

 

1年前の今頃、手探り状態で長男さんの小学校入学準備を進めていたこと、入学前の説明会で、大切なのは非認知能力を育てることであり、認知能力の先取りは小学4年生頃を目途に差がなくなる旨のお話を伺ったことを思い出しました。

 

さて、「非認知能力」って、わかるようで、わからない。どうやって向き合えば育ててあげられるのか。少し調べてみました。調べを進めると、文科省でも幼児期の非認知能力の育成を重視していて、児童期においても、それが意識されていることが読み取れました。特に、2020年度から導入された文科省作成による「新しい学習指導要領」が素晴らしく魅力的!さらに、「非認知能力」って、小学校受験の考査手法のひとつとしてもよく採用されている「行動観察」の評価観点なのでは?と感じたり。遅ればせながら、少し学び、整理してみました。

 

目次

1. 「非認知能力」とは

「非認知能力」(non-cognitive skills)とはどのように定義されているのか、少し整理してみました。

 

  • IQなどで測定できない「目に見えない力」
  • 「社会情動的スキル」(出典:OECD(2015))
  • 「目標や意欲、興味・関心をもち、粘り強く、仲間と協調して取り組む力や姿勢を中心」とする力(出典:ベネッセ教育総合研究所)
  • 意欲、協調性、粘り強さ、忍耐力、計画性、自制心、創造性、コミュニケーション能力といった、測定できない個人の特性による能力。学力(認知能力)と対照して用いられる。学術研究によって、非認知能力の高さが学歴や雇用、収入に影響することが明らかになっていることから、幼児教育の分野で注目を集めている。非認知能力は、学力のように1人で身につけられるものとは異なり、集団での行動の中での困難や失敗、挫折などの経験を通して養われるものが多い。(出典:EdTechZine)

2. 非認知能力と認知能力の関係

認知能力とは、いわゆるIQ(知能指数)に代表されるテストで測ったり数値化したりできる知的な能力(学力)を指し、「非」のとおり、広く、これ以外の能力を非認知能力と定義することもあるようです。

 

一方、文科省が2016年にとりまとめた資料「幼児教育に関する現状について」にて、「幼児期におけるいわゆる「非認知能力」の重要性」が取り上げられ、以下が述べられています。

「学びに向かう力の育ちと、文字・数・思考の育ちには関連がみられる」

 ※本調査では、「学びに向かう力」とは、自分の気持ちを言う、相手の意見を聞く、物事に挑戦するなど、自己主張・自己抑制・協調性・好奇心などに関係する力 としている。

「学びに向かう力」とは、まさに「「非認知能力」のこと。

これは、ノーベル経済学賞を受賞したヘックマン(James Joseph Heckman)のいうところの、「非認知能力の向上は認知能力の発達を促す」ということでしょうか。

 

文科省の同資料で幼児期に育成が望ましい非認知能力を把握するに良い情報がありましたので、以下、引用させていただきます。

 

幼児期の非認知能力-1

幼児期の非認知能力-2

3. 文科省の「新しい学習指導要領」が素晴らしく魅力的!

「新しい学習指導要領」の紹介リーフレットや動画を拝読・拝聴させていただきました。まず、教育関係者だけではなく、保護者にも知ってほしいと伝えようとしてくださることがひしひしと伝わってくる、わかりやすい資料であることに感動!そして、肝心な中身も、僭越ながら、非常に熟考され、次世代における暮らし、そこで望まれ、必要とされる力を見据え、投じるべき教育が検討された結果なのだろうとの印象をうけました。素晴らしい!

少し、冒頭より引用させていただきます(太字はしょこらにて)。

「学習指導要領」とは、全国どこの学校でも一定の教育水準が保てるよう、 文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準です。 およそ10年に一度、改訂しています。 子供たちの教科書や時間割は、これを基に作られています。 これまで大切にされてきた、 子供たちに「生きる力」を育む、という目標は、 これからも変わることはありません。 一方で、社会の変化を見据え、新たな学びへと進化を目指します。

生きる力 学びの、その先へ

新しい「学習指導要領」の内容を、多くの方々と共有しながら、 子供たちの学びを社会全体で応援していきたいと考えています。

そう、「新しい学習指導要領」の副題は「生きる力 学びの、その先へ」。

僭越ながら、これだけで、実がありそうな、わくわく感を誘います。

内容の概要が分かりやすく説明されているページを引用させていただきます。

 

 

4. 非認知能力を育てるひとつの方法

文科省の調査にも度々登場するベネッセ教育総合研究所。2016年の機関紙の「生涯の学びを支える非認知能力をどう育てるか」という記事をみつけました。なるほど、と多くを学びました。以下、要点を整理させていただきます。

 

---

3つの課題を克服すれば 「非認知能力」は育つ

1つは、日本では特に意欲や興 味・関心を大切にしてきたが、 非認知能力の重要な要素である粘り 強さや挑戦する気持ちなどの育成は それほど重視されていなかった。 

2つめとして、認知能力と非認 知能力は絡み合うように伸びるとい う認識が弱かった。こうしたサイクルを意識するこ とで、認知能力と非認知能力は効果的に伸ばせる。

3つめとして、こうした姿勢や力は、従来、気質や性格と考えられがちだった。現在の議論では、これを 「スキル」と捉えて教育の可能性を 強調。あえて「スキル」と呼ぶことで、具体的な支援を通して子どもができるよ うになることを示している。

 

豊かな環境や保育者の言葉が 子どもの内面を育てる

1つは、子どもがおもしろいと 感じたり、関わったりしたくなる素材をふんだんに用意すること。環境を豊かにする 方法はさまざまで、ひとつの正解はない。

2つめのポイントは、保育者が対話を通して、子どもの発想を豊かにしたり考えを深めたりすること。

3つめの要点は、小学校とのつな がりを意識すること。幼児期の学びを小学校以降の学習の土台と捉え、5歳児にふさわしい高度な活動を通して非認知能力を高める努力をすること。

 

非認知能力を育てる支援と評価は 表裏一体

非認知能力の評価は難しいが、具体的な活動を通して評価する方法が進めやすい。 例えば、活動中の子どもの姿を文章 や写真で継続的に記録し、「意欲的 に取り組んでいるか」「工夫する力 がどこに見えたか」などを検討。一緒に子どもに関わる保育者が評価の基準を共有し、話し合う形にするとより客観的に捉えられる。そして不十分な点に対し、 どのような支援をすべきかを考える。

---

 

 

保活

しょこら
 
 

「新しい学習指導要領」に則った教育が受けられる学校って、とっても魅力的!!

課題としては、公立校の場合、このような教育方針を打ち出す部隊と、それに則って実際の教育を提供する部隊が様々な観点で分断されている場合が多いことでしょうか。

 

また、非認知能力って、まさに私立小学校の行動観察で確認されるている力なのでは?

 

児童期に望まれる能力、これから続く人生を力強く生きるために必要な力をつけるにはどうすればよいのか、向かうベクトルは概ね同じ方向を向いていることが分かったように思います。

課題は、それが如何に実現できているか!実現するか!ですかね。親も成長が必要です。

 

次、これらを読んでみます。