クンクン!この匂い・・・「どこかで嗅いだことがある、懐かしい匂いだ」
「・・・あ~~~ママだ」
パパが「いい子にしてて」って出かけていって2時間後、車が戻ってきた。
「パパ!ママ居るでしょ~、わかるんだよ」
「?どこだ、ジャッキー!探してごらん」
僕は庭中を駆け回る。
その匂いは車の中からしてくるぞ・・・
我慢できずにママが車から降りてきた。
「ただいま!~~~ジャッキー、いい子にしてた?」
「もちろんさ!」ってママを思わず押し倒しちゃったよ。
ペロペロ舐めちゃった。
前日の夜、羽田国際空港から今話題の、LCC航空会社「エアアジア」を利用し、
マレーシアのクアラルンプール(KUL)乗継で帰ってきたらしい。
6日20:10、とある埼玉の町から直行バスに乗って21:30羽田国際空港に到着。
いつもは成田国際空港からなので羽田国際空港は初めてだったんだって。
事前にWebチェックインしていた搭乗券で、予約していた15キロの荷物を預ける。
中身の三分の一は僕のおやつだったよ。
レオママがお土産にくれたんだって。有難う!レオ&レオママ。
手荷物リュックの中身はパパの洋服とママが日本で買った服。
搭乗時間の23:45、予定通り羽田空港を飛び発った。
LCCのため、機内でのサービスは一切なし。
水の一杯も出てこない。
お世話になっていたpちゃんのお土産おやつを食べながら水を飲む。
柿の種とチロルチョコパン。お腹がいっぱいになりママは寝た。
シート配列は3:3:3の9席。ママは真ん中の3の通路側。一つ空いて隣には白人男性。
思っていたほど座席間隔も狭くなく、快適に寝れたって。
あっと言う間の6時間。KUL到着まであと数分。熟睡したママは残ってた水を飲む。
リュックを抱え、飛行機を降りる。
降りたのは構内ではなく、外だ。朝6時、うっすら暗い。
気温は28℃、朝なのに蒸し暑い。
みんなについて、空港内へ入る。
すぐに階段があり、上がっていくと長蛇の列。
「入国審査」だ。
「・・・入国審査???」
ん?と思いながら並んでいると、あることを思い出す。
日本を発つ前に、エアアジアでKUL乗り継ぎをした人のブログ記事。
「あ~~~入国審査はいらないんだった!乗継順路に進むんだった」
調べていたにも関わらず、ミスしてしまった。
うっかりやさんのママでした。
階段を降りるとそこにも長蛇の列。乗り継ぎに進む人の列だ。
インドネシアパスポートを手にするカップルを見つけ話しかけるが、ジャカルタ行きのご夫婦だった。
奥さんは日本語も少し話せたが、ママは思い出しながらインドネシア語で話した。
「ジョウズデスネ!」
「うん、通じる・・・」と実感したママでした。
ロスタイム1時間。3時間の待ち時間が2時間になっていた。
搭乗券に記載されている「T12ゲート」に進むとそこには「DENPASAR」の文字。
これに乗ればバリに帰れると安心したママは、残っていた柿の種&せんべいを食べる。
またまた睡魔に襲われる。
リュックを枕に腰掛けていたベンチで横になる。あっと言う間にママは寝てしまった。
・・・はっと気付き時計を見ると9:15だ。9:25発なのであと10分しかない。
周りには誰も居ない。
慌ててリュックを背負い、外に出るとエアアジアの飛行機が停まっている。
小さい飛行機だ。
そこに居た女性に「TO デンパサール?」と尋ね、タラップを駆け上がる。
しかしなかなか出発しない。アナウンスで名前を呼んでいる。
現れないらしく、出発が遅れる。ママは最後の二人目だったみたい。
予定時間の9:30を過ぎている。結局遅れること30分。10時にKULを発った。
座席に着いたママ。シート配列は3:3の二列の席。ママは窓際。
デンパサールまでは3時間だ。隣はマレーシア人のカップルだった。
メニューを見る。水はミニボトルで約100円。
マレーシアまでは現地通貨のリンギットでの表示だが、
ここからはインドネシアの通貨ルピアで払えるらしい。
が・・・100円は高い。
ペットボトルにちょびっと残っていた水を飲み干した。
睡魔に襲われたママはまたまた眠りについた。
はっと気付くと高度が下がって行くのに気付く。
「もうすぐ着くな・・・」
5分後「ゴトン!」と言う音でタイヤが滑走路に着く音を確認する。
荷物を棚から下ろし、外に出る。「居住者」の列に並ぶ事、30分。
スタンプを押してもらったパスポートを手に走り出す。
ターンテーブルで回るスーツケースを探し出し、税関へ。
背中にはリュック、右手にはスーツケース、左手にはPCバッグ、肩にはショルダー。
脇目も振らず、外に出る・・・
パパだ!「お帰り、ママ~~」
「ア・ツ・イ・・・」PM1時のバリは蒸し風呂のようだった。
お腹は空いてるけど、早く僕に逢いたくてご飯をお持ち帰りして帰ってきたんだって。
「お帰り、ママ・・・もうどこへも行かないでよ」ってママを押し倒したよ。
ママのいつも居たPC座布団の横。
ママはまたそこに居る。僕はママのお尻に鼻をつけて寝る。
この間はママに匂いだけが座布団にあった。
でも今は、そこにママが居る。
パパも嬉しそう。僕も嬉しいよ。
ママの生まれた国、日本も良いかもしれないけど・・・
パパと僕の生まれたバリは、ママの第二の故郷。
今は暑くて、ちょっと辛いけど・・・
パパとママが一緒なら・・・僕はずっとここに居るよ。
3人で一緒にね。