今日は初めて娘のお友達(彼氏?)が家に来て
(具合が悪くなった娘の荷物を持って送ってきてくれた涙)

お菓子やカレーを食べてもらったり、

 

夜はzoomで仕事の打ち合わせが入ったり、

なかなか盛りだくさんな1日…(後半が)

 

そして今日読み終えたのがこの本。

しばらく毎日楽しみにして、2部ずつちびちびと(全部で22部)

バルガス=リョサは以前、フロベールの論述を読んで

なかなかいいものを書く人だと思っていたら、なんとノーベル賞作家だった!!

なんて私は何も知らないのだろう…

他にもいくつか面白そうな作品がありますね…

 

でも、なんといってもこの本に興味をもったのは

フローラ・トリスタンの話だから!!!!

これはジュール・ロールの描いた肖像画。

すごい美人さんで、物語にも語られているように

実際、夢中になった男は星の数ほどだったらしい…

 

 

実はフローラ・トリスタン、自分の訳出分担部分に登場していて、

その物語があると知り、気になっていたのです。

彼女はフェミニストで社会活動家(←ここが気になるポイント)ですが

どちらかといえば画家ポール・ゴーギャンの祖母であることから有名らしい。

 

 

 

 

物語22部は、それぞれフローラの物語とポールの物語が交互に現れて展開。

時代も性別、様々な点で違う二人の主人公だけれども、

(しかも性のあり方は対照的であったりする)

この本のタイトルにあるように「楽園」を純粋に求めている点では一致。

 

 

ポールに関して言えば、

今までとらえどころがなかったゴーギャンの人生、人となりが

この物語を読むことによってなんとなく掴めたような???

 

 

しかし、何より、やはり、

この物語で描かれているフローラ・トリスタンの「戦い」に胸を打った。

 

恵まれた裕福な家庭に生まれたフローラではあったけれど、

父親が死んで、その財産は国家に没収され、

母親と子供たちは貧民となる。その環境でのDV夫との悲惨な結婚。

夫から逃げだすフローラだが、当時のフランスの法律では

夫を放り出す妻は罰せられる!?(実話ですよ)

フローラは夫からも警察からも追われる身になる。

子供は夫に奪われ(フローラへの当てつけのため?娘を犯す最悪な父親)

財産も奪われ、見つかるたびに暴力をうけながら

最後、フローラは夫の銃弾を受け、夫が殺人未遂で逮捕されることによって

解放される。
 

そんな身の上なのに、いや、その身の上だからこそ、

女性、貧しきもの、搾取されるもののためにフローラは立ち上がり、

労働者、女性に団結を呼びかけ、伝道の旅にでる。

病身を押して、自らを省みず

皆が幸せに生きれる世界のために…!!!

 

 

というのも、物語のほんの一部ですが、

時代背景的にもサンシモン主義とフーリエ主義とか

イギリスの労働運動とのつながりとか激しい貧富の差による当時の状況とか

もやもやしていたものがなんとなく掴めて、ありがたかったです。

 

 

 

 

久しぶりに「本を読む」こと自体楽しめるひと時でした。