スマホを貸してきた旦那。
いさぎよく渡してきたのかと思いきや横からずーっと覗いてくる。
私はとりあえずネットの画面を開き、ひらがなを順番に入力した。
『えっ?何してるの?』
『いや、別に。』
と、言いながらひたすら入力。

特に何もないなーと、諦めかけた時にある名前がたくさん出てきた。
『ゆ』と、入力すると、
『ゆきが』
『ゆきに』
『ゆきを』
やたら出てくる女の子の名前。

『ゆきって誰?』
急にスマホを奪い返し目が泳ぐ旦那。
『いや、何もない!!』
全力で否定。 

『いや、待てよ。その名前、私知ってる!!』
そうなのだ。
その女の子は事もあろうが私の知り合いだったのだ。