・・・ どんっっ！
後ろから近付いてきた靴音は すれ違いざまに私にぶつかり
ぶつかってきたのは 私ではなく相手の方なのに
「すみませんっ！」
よろけながらも 反射的に謝ってしまった
顔をあげると そこに立っていたのは
・・・ アナウンス界の妖精 ユ・ヘイアナウンサーだった
ヘイアナは 私をジロリと睨み
「いくらハプニングを面白おかしく放送する番組だからと言っても
私たちはプロのアナウンサーなのよ！
仕事を忘れて酔っぱらうなんて 信じられないわ！！
面白ければ何でもいいって 勘違いしないで！！！
こんな フワフワして自覚がない子 ・・・
私たちはタレントやお笑い芸人じゃないの！
悪目立ちするんじゃないわよ！！
よく考えて行動しなさい！！！
それに 最後のは何？
わざとらしく転んで ・・・ おまけにスカートをめくってまでも
テギョンの気を引こうなんて ほんっと信じられない！」
言いたいことだけ言うと
フンっと顔を背けて そのまま足早に去って行ってしまった
・・・ フワフワして 自覚がない ・・・ 悪目立ち
胸にぐっさり突き刺さり 向こうまで突き抜けてしまうような厳しい言葉だけど
腹は立たなかった
・・・ むしろ その通りだ
ヘイアナはＡＮテレビで一番目立つ女子アナだけど
私みたいに マイナス方向ではなく
高い技術を持っていて美人で プラス方向で目立っている
私には 彼女に対抗できる技術もなければ 美貌もない
テギョンアナの気を引こうとしたことは 誤解だけど
そのほかは 全く持もってその通りで 言い返す言葉もなく
ただただ 落ち込むしかない
控室に戻ると
のりさんアナとさだはるアナから
のり＞「私たち すっかり意気投合しちゃって
これから 食事に行くんです！」
さだ＞「ミニョアナも 一緒にいきませんか？」
誘われたけど こんなどんよりした気分のまま行くのも悪い気がして
丁寧にお断りした
今日は もう一泊して 明日の朝の飛行機で帰る予定になっていたけど
無性に帰りたくなり
時計を見ると まだ余裕で最終便に間に合う時間
帰ろうかどうしようか悩みながら
荷物をまとめていると
今度は るっくんアナとひまわりアナから
るっく＞「ミニョアナ！ 泊りですか？」
ひま＞「私たち泊まりなんで これから飲みに行くんですけど
ミニョアナも泊まりなんだったら 一緒に飲みませんか？」
お誘いを受けた
本当なら やけ酒でも飲んで 今日の出来事を忘れたいところだけど
「当分禁酒の方向ですので ・・・ すみません」
こちらも 丁寧にお断りした
キャリーバッグを引き 長い廊下をトボトボ歩きながら
すれ違うスタッフさんたちに 挨拶をする
私の顔を見て クスクス笑ったり 手を振ってくれたり
スタッフの皆さんは フレンドリーにしてくれるけど
・・・ 悪目立ちだしな
ますます落ち込む
ずらりと並んだ 控室の前を通り過ぎ エレベーターホールが目の前となったとき
いきなり 一番端の扉が開き
！！ぐいっっ！！
右腕を掴まれると あれよあれよという間に 強引に控室に引きずり込まれた
「キャッ ・・・ むぐぐぐ ・・・」
後ろから回された手によって 叫ぼうとした私の口はふさがれ
そのまま誰かに 後ろから抱き着かれるような形で 体の自由を奪われる
パニックになり なんとか逃れようと バタバタと暴れる私の耳元で
「静かにしろ！」
どこかで聞いたことのある
甘い低音ボイスが響いた
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お付き合いありがとうございます。
すみませ～ん！ チカンですっ！！
誰か サツのダンナを呼んでくださいっっっ！！！
毛糸のおパンツを皆さんに披露し～の
妖精に説教され～～の
誰かに拘束され～～～の
ミニョちゃん ・・・ 今日は厄日ですなｗ
こんなんだったら 食事や飲み会に行けばよかったかもね☆彡
のりさんアナ・さだはるアナ・るっくんアナ・ひまわりアナ ・・・
今回は残念でしたが 次回も ぜひミニョちゃんを誘ってあげてくださいね♡
