母は、
子どもが笑顔で、
今日も楽しかったぁー!って言ってくれる事を願っています。
…というか、
今日も楽しかった!
という一言に安心したいだけかもしれません。
頑張ってきてね!
楽しんできてね!
仲良くしてね!
子どもが母と離れて集団生活入るようになると、
そんな言葉で子どもを送り出すことも多くなりました。
子どもは親とは違う人格で、感じることも表現することも親とは違う
と、分かっていても、
どうだった?
楽しかった?
と聞きたくなるのが親心。
言葉の遅いお子さんの場合は特に、
どうだったかなぁ?
ちゃんと仲良くできてるのかなぁ?
母が不安で心配で、
ついつい子どもの言葉や表情に一喜一憂してしまうことも多いのではないでしょうか?
かくいう私もその一人
私が安心したくて、
子どもが楽しい!と言ったり、
楽しそうな様子を見るために、
模索していたような気がします。
でも、私が安心したり、楽しそう!と思うものと、
子どもが求めるものは、違いました。
子育てって、
この子と私は違う…ということ
この子の必要としている事は私とは違う…
その事にどれだけ早く気づいてあげられるか
それを母として学ぶための長〜い道のりなのかもしれませんね。
先日絵本作家のかこさとしさんがお亡くなりになりました。
そして先日のNHKのプロフェショナルで先生の最期の日々が描かれていて、そこに数年前に亡くなった父の姿も重なり、しみじみ《人は誰かになにかを残して、そして逝く》のだなぁ…と、感じました。
大学生の長女がまだ幼い頃、私はホスピス病棟に勤めていて、
緑に囲まれた小さなホスピスで、色んな最期のカタチを見てきました。
こんなことしても治る事は決してないと分かっていても、ご主人が熱心に信仰していたものを黙って受け入れていた女性…
ホスピスのスタッフと亡くなる前日までご自分の財産や持ち物全てを整理して全額を寄付されて、自分は本当に一銭も持たずに旅立った女性…
誰にも迷惑をかけたくないと、家族が不在にしたほんの数分で急変して亡くなった男性…
そんな方達のお亡くなりになるまでの時間それぞれの姿を見てきたから、私は父を父らしく看取りたかった。
勤めていたホスピスの訪問診察と訪問看護を受けながら、おかげさまで父は大好きな家族に囲まれて、最後まで《夫として、父として、おじいちゃんとして》母や私たちや孫たちに生き様と死に様を見せながら亡くなりました。
人は生きている時だけじゃなく、
死ぬときにも誰かに何かを与えて残していく。
かこさとしさんが、壮絶なまでに創作を続け、子どもたちに残そうとしてくれたもの…
繋いでいかなきゃいけないな…と心からそう思います。
皆さんはかこさとしさんの絵本で1番好きな本は何ですか?
私が1番好きなのは、
「とこちゃんはどこ」
お母さんと一緒にいても、
おばあちゃんと一緒にいても、とこちゃんはすぐにどこかにいなくなっちゃって…というお話です。
とこちゃんどこに行っちゃったんだろうねーって子どもと一緒に探すのももちろん楽しいのですが、
それより何より、
こんなにしょっちゅう迷子になっちゃう、困った子のとこちゃんを見守る周りの目の優しいこと優しいこと
すぐにどこかに言っちゃって、注意も聞かないとこちゃん…
でも大らかな気持ちで包む家族と時代をとても羨ましく懐かしく感じる絵本です。
もちろん誰でも一度は読んだ・読んでもらった事のある大人気だるまちゃんシリーズやからすのパンやさんシリーズも、本当にたくさんの思い出があります。
かこさとし先生
たくさん育ててもらいました。
ありがとうございます。
これからもずっと…
たくさんの子どもと親が絵本を読んで、たくさんの楽しみと喜びをもらい、そして父となり母となります。
もういないのに…
ここにあなたがちゃんといる。
本当に不思議な感覚です。
あれ?
何を書きたかったんだっけ…
絵本も
お母さんの選びたい本と
子ども一人一人が選ぶ本は全く違かったりします
だから難しい
だから面白い
子育ても同じ…かもしれませんね。