平日だけど、代休でお休みです。
ゆっくり美術館に行きたいところだけど、たいてい月曜日は休館なのです。
「ボクも休み。」
っていう次男と、阪急百貨店へ。
本日は、大切なものを買いに行きます。
9階の祝祭広場では、「職人、町工場、作家から生まれるもの 大阪のものづくり」というイベントが開催されていて、本日最終日。
お話は、聖徳太子の頃に遡ります。
浪速の地に、仏教の守護神四天王を祀る寺として、四天王寺を創建するときに、聖徳太子が百済から大工の棟梁等を招聘した昔。ものづくりの技術を日本全国に広める礎を築いたとして、聖徳太子は「ものづくりの始祖」として崇められてるとの話。
古い歴史を持つ大阪のものづくりは、今に伝わり、今回は、錫器、注染、切子ガラス、蜻蛉玉などの伝統産業が紹介されています。
こちらに、鶴橋の「BISOU」という水牛の角や骨を使ったアクセサリーの工房が出店されています。工房を支えるご夫妻はどちらも嵯峨美術短期大学の同級生です。
同級生仲間の、着物愛好家のみんなは、「BISOU」こと、尾崎さんご夫妻の作るブローチや帯留めに憧れていて、何人かの友人が、繊細な細工の逸品を大切に使っています。
工房に伺って、お仕事場を見学させてもらうのも、憧れていることなのだけど、とてもお仕事がお忙しいらしく、私はまだその機会に恵まれていません。
奥さまは、デザインに関わっておられたのだけど、長年の職人さんが退職なさったのを機に、ご自身で細工を手がけることになりました。そうなってまだ年月は浅いそうですが、全国各地で展覧会をしたり販売なさっていて、大忙しだそうです。
それは素晴らしいこと。
ご夫妻が、真剣にものづくりされて、その品物のよさを多くの人に認められているのは本当に喜ばしいことです。
大阪一のデパート阪急百貨店に、常設のショーケースがあるのですが、この度の催事の告知で、「BISOU」の文字を見つけて、すごく嬉しかったです。
売り場には、長女さん、三女さんもおられました。
どれも繊細な細工が美しい。
天然の素材の色を生かしてあります。
鳩や、愛らしい動物のデザインされたものも、多くありますが、私は植物をモチーフにしたものから選ぶことにしました。
季節が限定されないもの、ブローチにも帯留めにも使えるもの。いくつかの候補を並べて迷ってしまう。
次男の見立てで、全体のフォルムも好きで、透かしが多くて、曲線の美しいひとつを選びました。
蕾か実りに見立てて、ひとつぶグリーンの天然石が添えられているのも素敵なアクセントです。
いろんな場面で、さまざまな季節に、末長く使えそうです。
和装の時に使うのも楽しみです。
同じフロアで、「ぬぬぬパナパナ」という着物関係のイベントも開かれていました。
こちらにもごあいさつしたい方がおられました。
「ふぁんじゅ」というTシャツ型の和装のための襦袢シャツを開発、販売なさっている「さくさくぷらす」の須賀さんです。
着物を着ると、毎回、冬でも帯を巻く部分の肌に汗疹ができてしまう私は、雑誌でこの画期的な下着を知り、いつか試してみたいと思っていたのです。
そのうちに、その開発者さんが、やはり同じ嵯峨美術短期大学の同じ科の後輩だとわかりました。ご本人から直接買いたいので、機会を待って、この春あるイベントで須賀さんから説明をしてもらいながら、選ぶことができました。
すでに洗濯もしながら、使ってみて、本当によかったのです。
長襦袢の時に巻かないとならない紐や伊達締めが省略でき、難しい衣紋を抜く加減も自然と整う優れもの。これからも長く使いたいと思ってる、ということを須賀さんに伝えたくて。
「とても便利。」だと、着物仲間に、時には通りすがりの人にさえ、説明している私なのだ。
さらなるお洒落に進化させる襟の付け方や、変え袖の作り方を教えていただきました。
そして、同じフロアの「BISOU」さんも同窓生なのよ、ということもお伝えしちゃいました。素敵なものづくりをするお二方が、繋がってくれたら私も嬉しいから。
そして、私は、大阪錫器の技法のワークショップに参加しました。
錫の細い板を鍛金して、バングルを作ります。
表面を小刀で平らに削り、
丸い台を利用して湾曲させ、ひたすら鎚で打つ。
インストラクターの先生が優しく指導して、最後の磨きと仕上げを施してくださいました。
15分くらいで完成。
材料費込みで1080円なり。
だけど、それ以上の価値のある宝物になりました。
大阪中之島の夕焼け。
毎度、大阪に住んでいることを、幸せだなあと感じる風景です。
阪急百貨店の魅力的な催事はまだまだ続きます。これからも時間をやりくりして覗きたいなぁ。