道修町の神農さんとお蕎麦の入福 | ママゲリア聖子の大阪ロマンチック

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北大阪在住、食いしん坊で呑んべえのなかよし夫婦のいろいろを記録しておきたいと思います。こんなに楽しい毎日、本当に感謝しています。


みどりちゃん。
もともとは、二十歳の時に初めて中学校の美術の先生になったときの生徒です。もう長い付き合いだ。とっくに師弟関係の堅苦しさなんか溶けて、とてもセンスのいい、いろんなこと教えてくれる少し年下の大切な友達。

本日は、彼女と待ち合わせて浪花のど真ん中、道修町へ繰り出しました。
平野町で長らく店を構えるお蕎麦の老舗「入福」の若主人も私の教え子で、みどりちゃんの同級生なのです。

昨年、この学年の同窓会がありました。
幹事のひとりが、「かつての恩師」の枠で私にも声をかけてくれたけど、正直私には、彼らに合わす顔がないと思っていました。弱冠二十歳の若造のくせに、6つしか年齢の違わない彼らにたいして、なめられてはならじと虚勢をはっていたに違いなく、今となっては振り返るのも恥ずかしい青二才っぷり全開だったはず。でも、このごろ彼らの二世を教えることも増えてきたんだよね~。 あの頃は実力もないのに先生風吹かせてゴメンねって、伝えるチャンスかなぁ?お陰でかれこれ30年もこの仕事を続けています。ありがとう。

その時の総幹事を務めてくれていたのが、入福の若旦那でした。私にも、ぜひにと言ってくれて、参加することにしました。
とても温かくて、楽しい同窓会でした。おそらく参加した誰もが、30年ぶりに集まって本当によかったって、翌日からまた頑張れる勇気を貰ったはず。彼の細やかな配慮や醸し出す和やかさによるところが大きかったと思います。

実は、みどりちゃんは、その頃ちょっと体調を崩していて、参加出来なかったのです。
ひとりでも多くの同級生と連絡をとり、盛大な会にするために奔走している彼に彼女の状況を伝えたところ、とても素敵な展開が…。

お店の近くの道修町は、昔から薬問屋が立ち並び、今も製薬会社の多く集まるエリアです。
その町にある小さなお宮さん、「少彦名神社」は、「神農さん」とよばれて、病気治癒、薬効の神様として昔から全国の信仰を集めています。
入福さんは、みどりちゃんが1日も早く元気になるようにとここの御守りをもらい受けて来てくれたのです。その行動の素早さも驚きでした。幼なじみって、温かいなぁ。

そのお陰もあって、みどりちゃんはすっかり元気を取り戻しました。
いつか一緒に入福の蕎麦をいただいて、彼にお礼を伝え、少彦名神社にもお礼参りに行こうねと、約束していたのが、本日叶いました。
「入福」に来たのは私は二度目。みどりちゃんは初めてです。
彼のおかあさんである女将さんの人柄がこれまた素晴らしいのです。自家製のお蕎麦がとても美味しい。私はかき揚げ天の温かい蕎麦、みどりちゃんは鶏なんば。
お店にいる間に急に雨が降ってきて、親切な女将さんは傘を持たせてくださいました。みどりちゃん、今度また傘をお返しに行きましょうね。冷たいお蕎麦も楽しみね。

文豪谷崎潤一郎の「春琴抄」の舞台にもなったという神農さん。辺りには古き佳き大大阪の面影を伝える石造りのクラシックビルヂングが今も数棟現役です。

芝川ビルは、現在の朝ドラの「マッサン」のモデルとなったニッカウヰスキーの創業者にもゆかりがあるのだそうです。アールデコ様式の建築は、雰囲気がよくて、今はお洒落なお店がいろいろと入っています。
人気のお店2軒で、ちょっとしたものを買いました。
「イイホシユミコ」さんの食器を扱う店では、ミラノで買ってきたバッグにぶら下げるタッセル。
帽子の「couer」(クール)では、帽子がトレードマークの次男坊に送ってあげる帽子モチーフのブローチ。





みどりちゃんと一緒だと美しいものを見たときに感動を共鳴させることができるんです。アンテナが高いので、いろんなこと知ってるし、美味しいものはもちろん、いろんなものを手作りする才能にも恵まれていて、刺激をもらえます。どうやら「ちゃろべんおかあさん」でもあるみたいだし。
みどりちゃんのひとり息子のソラくん、中学2年生!みどりちゃんに初めて会ったとき、中2だったじゃない!

子育て頑張ってね。あっという間だよ。
いつか一緒に、ヨーロッパも行ってくれる?