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ご用は何ですか?

2016年生まれのシェルティ(セーブルホワイト♂)との暮らしを綴ります。
2023年に2011年生まれのシェルティ(セーブルホワイト♀)が我が家に来ました。

心臓外科の専門医の診察を受けてから3か月経過しました。経過観察の為の8月の検診予約は22時あんぐり

 

 

救急救命機能を持つ24時間稼働病院の為、担当獣医師が在勤時に診察をしてくれるシステム。予約時間から30分ほど過ぎてから検査開始。

 

23時過ぎから検査結果の説明がありました。

まず、獣医師が開口一番「お薬変えました?」

もちろん品名も投薬量の変更もしていない。

 

「僧帽弁からの血液の逆流が減っています」

カラードプラ法の画像を5月と本日のものと比較してくれました。

 

←8月  5月→

 

心臓の肥大も落ち着いてきた、とのこと。

左房径大動脈比(LA/Ao)の数値も1.71。前回の5月は1.82。

 

「こんなことあるんですね」と獣医師。

 

今まで自分が何をしてきたか考えてみました。


同じお薬を服用していたお友達の愛犬が亡くなってからこの病気について調べたところ薬に添付資料が公開されていることに気づきました。そこには食餌のおおよそ一時間前に投与すること、とありました。

 

また、お薬ベトメディンチュアブル(ピモベンダン製剤)の説明は以下の通り。

 

*******usapara.petより引用

ベトメディン・チュアブル錠は、犬用の拡張型心筋症や弁閉鎖不全症(僧帽弁および/または三尖弁逆流症)を原因とする犬のうっ血性心不全の治療薬です。心不全症状を緩和し、QOLを改善することにより延命効果が認められています。

主成分であるピモベンダンは、心筋細胞内の細胞収縮にかかわるタンパク質のカルシウム感受性をあげることにより、心収縮力をあげ、血管内皮細胞内にあるフォスフォジエステラーゼⅢという酵素を抑制することにより、血管収縮作用を抑制する働きがあります。

 

 

*******以上引用終わり

 

これは前回5月の診察で同獣医師に伺っていたことであるがピモベンダンの吸収には胃の中が酸性であることが望ましいらしい。食事をしてしまうとアルカリ性側に傾く為、吸収されにくいらしい。だから食餌のおおよそ一時間前という表記がある。

 

獣医師の説明によるとピモベハート(ロリーが使っていない)等は必ず食餌一時間前を守らなければならないが、特殊なコーティングをしているベトメディンチュアブルは気にしなくてよいとの説明でした。掛かりつけ医からの指示もありませんでした。しかし、メーカーの添付文書には「食餌一時間前」の文字がある。これを確認したのは友人の愛犬が亡くなって間もなくでした。今年の2月の半ば頃のこと。

 

その頃から投与の時間を決めその一時間後に食餌としました。

 

その後の経過を比較できる指標としてLA/Aoを並べると

昨年3月半ば掛かりつけ医検診でLA/Ao=1.77

昨年3月半ばからベトメディンチュアブルの投薬開始、ただし食餌と同時

昨年9月半ば掛かりつけ医検診でLA/Ao=1.73

 *記録がないため記憶.このとき三尖弁の逆流が改善されているとのコメントをもらった.

昨年10月後半からロイヤルカナンを中止 

2月後半から薬の投与を食餌の一時間前に変更

3月初旬に掛かりつけ医検診でLA/Ao=2.07

5月初旬に心臓外科専門医検診でLA/Ao=1.82

5月から「犬心 低たんぱくバランス」導入

8月初旬に再度心臓外科専門医検診でLA/Ao=1.71 ←今回

 

昨年3月から今年の3月は掛かりつけ医で計測、5月以降は心臓外科専門医による。この違うところで計測した数値を並べて検討して良いものかと迷いましたが

左房径大動脈径比(LA/Ao)の測定方法はVETERINARY BOARD APRIL P7 右段に以下のような表記がある

 

*************

右傍胸骨短軸像大動脈弁レベルでBモード画像にて計測する。描出の個人的なポイントとしては、大動脈の根部がきれいな短軸像として描出され、大動脈弁が「ベンチマーク」として確認できることである。左房においては、左心耳が奇麗に描出できており、左房体部の辺縁が丸みを帯びて描出され、肺静脈の流入部も描出できていることなどが挙げられる。測定に用いるべき時相は、左房が最も拡張しているタイミングかつ、測定のランドマークとなる大動脈弁が閉鎖したタイミングとなるため、拡張早期が適切なタイミングとなる。

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このように超音波画像がどのように見えたら計測に相応しい画像か研究者からの解説があります。あとは画像上の計測による誤差はあるもののそれほど大きく数値はずれないと考えられます。10%前後の誤差はあると掛かりつけ医から説明がありましたが、それでも小数点第一まではほぼ有意なのだろうと思いました。そうすると、昨年3月から9月までほぼ変化なし、9月以降今年3月までに悪化、今年5月、8月で改善傾向、と見えます。

 

3月初旬の掛かりつけ医計測で2.07、5月の心臓外科専門医で1.82との数値が出たときには獣医師も改善したとは評価しなかった記憶があります。場所(測定システム)が変わると数値も違うのかな、とか掛かりつけ医の計測値が怪しかったのではないかと特に数値が下がっている点にだれも言及しませんでした。

しかし、専門医による計測で5月、8月を比較して下がっているという点で改善と明確に評価していました。私は前述のように、5月の段階でも改善傾向がみられていたのではと改めて考えました。

 

 

一方、ご飯(前述は薬添付書表記に合わせて食餌としましたがやはり食べて楽しいご飯表記に戻します)は、

昨年10月半ば頃からロイヤルカナンのエイジングケアを中止。その後SOLVIDAに変更していましたが3月の検診で悪化が見られたため心臓ケアのご飯を追加。片方の腎臓に嚢胞が増えてしまったため腎機能の低下が現れていて腎臓ケアも可能な「犬心 低たんぱくバランス」としました。

SOLVIDA+「犬心」を5月から開始。

 

・お薬の食餌一時間前の投与

・「犬心 低たんぱくバランス」の追加

 

上記2点がこれまでやってきたこと。

 

お薬の与え方を変えたことの効果が高い気がします。既に薬の食餌一時間前投薬を開始していたにも関わらず今年3月の計測で数値が高くなっていたのは効果が発現するには時間がかかるからなのではと考えました。

一方ご飯の効果はロイヤルカナンを中止してから悪化している為心臓の拍動を支援するような栄養素がやはり不足していたのではないかと考えました。

 

獣医師は診察の際に「薬がはまったんだね~」と。

 

食餌に関しては改善させるほどの食餌なんかあるわけないと獣医師は考えているようで、「今のでいいんじゃない」というコメントのみ。

 

薬がはまるとは、薬の効果がでた、ということなのだろうと。

ピモベンダンはusapara.petによると「心収縮力をあげ、血管収縮作用を抑制する働きがあります」

それが最大限働いているということ。

そしてその理由は「心筋細胞内の細胞収縮にかかわるタンパク質のカルシウム感受性をあげることにより」「フォスフォジエステラーゼⅢという酵素を抑制する」これは食餌一時間前に胃が酸性状態のときに投与することで最大に得られるもの。それで逆流が減って心臓サイズも落ち着いた、ということでしょう。

 

ロリーは投薬開始当初から夕ご飯に混ぜて食べていました。ほぼ一年間。お友達の愛犬といえば、よくご自宅に伺っていたのでワンちゃんの夕食の後、投与されていたことを思い出しました。ほぼ二年間。ロリーは半年過ぎて悪化し始め一年経過で今回の投薬に変更したため改善。

しかし、友人のわんちゃんは投薬開始から二年後に亡くなりました。同じ病状だったのか明確には判らないとはいえ、投薬のタイミングが不適当だった影響が出ていたのなら悲しいことです。まだ11歳でした。

 

 

あくまで「ロリーの場合」ということを忘れてはならないですが

13歳シェルティ、好発犬種ではない、さらに小型犬でもないですが 投薬開始から一年間食餌と一緒に投与で悪化。その後食餌一時間前投与に変更し半年後に改善傾向。

また、ロイヤルカナンをアレルギーにより中止したことでL-カルニチンやタウリンの不足の可能性を懸念して5月から食餌を変更したことも追記しておきます。

また、血管拡張の効果で逆流が抑えられるなら季節的な影響もあるのかもしれないので今秋11月の専門医による計測の結果で再度考察が必要かもしれません。

 

もし、ロリーの改善傾向がみんなに共通することだったら薬の効果を最大限に引き出す投薬条件は処方箋に記載して欲しい。

また、ご飯は病気を改善はできないけど適切でないと悪化させてしまうことがあるのだと考えます。だから、重要ですね。

 

今後も現状を維持できるように頑張ろうねロリー。

 

待合室でソワソワするロリー
パパさんに抱っこされています