AG(オーソライズド・ジェネリック)と呼ばれる新しいタイプのジェネリック医薬品です。
🟡🔵従来のジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分を使い、その品質と効き目、安全性が先発医薬品と同等であることを国からお墨付きをもらって製造販売されています。しかし、原薬、添加物(凝固剤、色素、コーティング剤)、製造工程などは同一ではない場合もあるため、一部の医療関係者や患者さんには根強い抵抗感が残っていました。
🔴🟢一方、AG(オーソライズド・ジェネリック)は先発医薬品メーカーから特許の許諾を得て製造販売されるジェネリック医薬品のことです。先発医薬品メーカーが所有する「物質特許」「製法特許」「製剤特許」などの特許使用料を支払って製造するので、先発医薬品と同一の有効成分、添加物、製造法で製造することが可能なのです。
薬を処方する医師や服薬指導をする薬剤師、薬を服用する患者さんもAGが「先発医薬品と同一」である安心感は大きく、AGの普及は急速に進んでおり、その市場も拡大しています。第一三共エスファのロスバスタチン(先発医薬品名:クレストール)、あすか製薬カンデサルタン(同:ブロプレス)、キョーリン製薬のモンテルカスト(同:シングレア/キプレス)のように売り上げが100億円を超えるAGも登場しており、企業の業績を大きく左右する存在になりつつあります。
従来のジェネリック医薬品が、一部メーカーによる不適切な製造により医療関係者や患者さんの不信感と不安感を増幅させていることも、AG普及の追い風となっています。
🔴ただし、全てのAGが「先発医薬品と同一」という訳ではなく、下の表の3つの内訳のように一部が異なるAGがあります。
🟢AG1:先発医薬品と比較して原薬、添加物、製法、製造技術、工場の全てが同一
🟢AG1:先発医薬品と比較して原薬、製法が同一。製造技術と工場は自社のものを使用
🟢AG1:先発医薬品と比較して原薬が異なり、製造技術と工場は自社のものを使用
🔴現状では医療機関で処方されるAGの大半が、全ての面において「先発医薬品と同一」のAG1となっていますので、あまり気にする必要はないかと思います。
AGの種類 | 先発医薬品との比較 | |||||
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有効成分 | 原薬 | 添加物 | 製法 | 製造技術 | 製造工場 | |
AG1 | 同一 | 同一 | 同一 | 同一 | 同一 | 同一 |
AG2 | 同一 | 同一 | 同一 | 同一 | 異なる | 異なる |
AG3 | 同一 | 異なる | 同一 | 同一 | 異なる | 異なる |