今くらいの季節だったと思うんだけど
小学校の五年生か六年生か
そのくらいの年頃
台風で雷ピカピカ
そんなある夜のこと
夕食もお風呂も済んで
双子の姉と一緒に
2階の自分達の部屋で
まったりしていたの
しばらくふたりで
稲光を見ていて
凄いね~
なんて言ってたんだけど
姉は稲光見るのに飽きて
二段ベッドに上がって
本を読み始めた📖
私はまだ稲光を見ていたくて
カーテンの縁を握りしめて
突っ立ったまま
ガラス窓の外を見ていたの
次から次に
黒い夜空を切り裂く
薄紫の光
少し遅れて鳴り響く轟音
なぜかドキドキして
少しの恐怖とワクワクを
楽しんでいました(笑)
庭を見下ろす形で見ていたんだけど
なんだか視界の中で
違和感を感じて
左の方を見てみたら
隣の家の庭とこちらの庭の境目辺り
なんでかな
青白い光が…
不思議な青白い光
あんなところに光源はないし
何だろう
と、目を凝らして見つめていたら
ふぁ~と3つに別れたの
3つに別れた光は
庭を横切る形で
右の方にふわふわと漂い
驚いて見ていた私の前に来ると
つい、と止まり…
な、何あれ
先程までの
ちょっとドキドキから
脂汗が滲むドキドキに変わり
声も出せずにいた私
3つの光が
私の方に方向を変え
2階の方まで上がってくる
シャッ
カーテンを閉め
無言で部屋を出て
階下へ行き
驚く父めがけて
一直線
そのまま飛び付き
小さい子供のように
父に抱っこしてもらった時
後ろから付いてきていた
双子の姉が
怖いじゃない
いったい何を見たの
と
わーわー怒ってる
ベッドで横になって
本を読んでいた姉は
いきなり怖くなって
訳もわからず(笑)
私を見ると
青い顔した私が黙ったまま
部屋を出ていったので
あとを追って
降りてきたんだそう
頼りの父を私に取られ
ずるい
そこ退いて
と言いながら
父にしがみつき
姉よりさらに
訳のわからない父は
どうしたどうした
重いよ
と慌ててる
父の暖かい胸に安心して
私は庭に現れた3つの光のことを
話した
人魂だな
父があっさり
そう言った
この辺りは
昔からの墓がまだ
あちこちにあるし
土葬だったから
父のその言葉に
オバケ
とビビる私達
騒ぎを聞いて
部屋から出てきた長兄が
バカ(笑)
リンが燃えるんだよ
と教えてくれた
父や兄が話しているのを聞いたり
母が入れてくれたお茶を飲んだりで
すっかり安心した私
双子の姉も
なーんだと
また本を読みに戻っていった
でもさ
何か意思があるみたいに
私の方に近づいてきたのは
何でなのかな
幽霊じゃないのはわかったけど
なんだか妖怪っぽいと思った
妖怪は
いると思ってるままちーです
因みに
あれ以来
すっかり雷が苦手になりました
雷怖い~