私が中学2年生の頃
金八先生が始まって
第一シーズンに出ていた
近藤真彦さん
田原俊彦さん
野村義男さん
が大人気となった
私は読書好きで
家にいる時は常に
小説やらマンガやら読んでいて
テレビといえば
アニメくらいしか観なかったから
金八先生なんて
観ていなかったし、知りもしなかった
同級士たちが金八先生を語っていても
「へぇ~そうなんだぁ~」
と、聞き流していた
それが
そんな呑気なことを言っていられなくなったのは
高校に入学してから
あいさつ代わりに
「誰が好き?」
と聞かれる
何のことか全くわからずに
「誰も今、好きな人いないけど…」
と、答えると
まるで宇宙人を見るような目つきで
見られる
入学式が終わって
クラスの教室で
私はひとり、途方に暮れていた
そんな時に1人の女の子が
「仲良くしよう!」
と声をかけてくれた
彼女のことはそのうち詳しく記事にしようかなと
思っているので
この話では語らないけど
とても優しく良い子でした
(仮にY子とする)
Y子は誰が好き?
の質問に
「トシちゃん」
と即答している
A子
「良かった~
私はマッチ」
Y子に腕を組まれたまま
周りを見回すと
既に数人づつのグループが出来上がっている
それぞれのグループが
トシちゃん、マッチという話題で盛り上がっていて
私はまるで知らない外国に来てしまった
迷子のような心細さで
入れない話題に聞き入っていた
聞いているうちに
それが今まで聞き流してきた
金八先生の話だと気づいた
確か、田原俊彦と近藤真彦と…
あと誰だっけ
A子
「でままちーは誰が好きなの
」
私に集まる熱い視線
誰も好きじゃない
というか誰が誰だかわからない
なのに、そんなこと言える雰囲気じゃない
どうしたらいいかわからず
口ごもっていると
Y子が
「ままちー、遠慮しなくていいんだよ
たとえトシちゃんのこと好きだって
私はままちーと仲良くするよ」
目に涙をいっぱいに溜めて
Y子が優しく手を握ってきた
「どうなのY子がこう言ってくれてるのに
シカトなの」
最初に聞いてきたA子が怒っている
「わ、わ、私は…」
「まさか…マッチ
マッチなの」
Y子
「許してあげて
ね許してあげて
」
ままちー
「ち、ち、ち、ちが、
わ、わ、わた、ちが…」
入学式当日、
初めて会った子達
いきなり名前の呼び捨てにも
めんくらい、
わけの分からない話で責められて
言葉に詰まって何も言えない
その時
Y子が ( ゚д゚)ハッ!
として
私を抱きしめた
「ままちー
恥ずかしがらなくてもいいの
よっちゃんが好きなんだね」
すると…
A子
「なんだぁ~
早く言えばいいのに~
もー恥ずかしがらないでよ~」
Y子の一言で
緊迫状態から
一気に和やかムード
周りの子達から
優しく肩を叩かれまくり
「応援するよー」
頑張るんだよー」
と抱きしめられ、頭を撫でられ・・・
もー何も言えなくなってしまった
トシちゃんって誰
マッチって誰
よっちゃんって…
誰なのーー!!
後々わかったけど
わかったところで
そのお三方に
まったく興味を持てなかった
その日の帰り
Y子に
「一緒に帰ろー」
と可愛く言われ
一緒に帰ることに
帰り道でY子が
「ままちー…
私…わかってるから…
ままちーホントは…」
えっ
わかってくれてたの
ホントはたのきんトリオって
今日初めて知ったこと
マッチが好きなんだよね
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
わかってないじゃん(笑)
訂正する勇気もなく
力なく微笑んだ15歳のままちーでした(笑)