私の父は大正の最後の年に生まれ、
大正生まれを自慢していた。
少年兵として従軍し、中国で
爆弾に吹き飛ばされて、片目を失った。
身長は低いが、顔はたいそうイケメンで
父が20歳代の頃の写真を初めて見た時は
ものすごい衝撃だった
どこの銀幕のスターだくらいの美貌
何故なら、私が知っている父は
河童ハゲで髪は真っ白
身長は154㎝で、仙人のような風貌だったから。
私の友達からは、おじいちゃんと間違えられ
ちょっと悲しそうな苦笑いをしていた。
父は、私を含め、5人の子持ち。
(兄、姉、兄、姉、私)
母は父より12歳年下。
私は父が40歳の時の子供だ。
一番上の兄とは10歳違うから、
兄は母が18歳の時の子供だ
父がガンで亡くなった時、
私の息子は生後3か月で、娘はまだ存在さえしていなかった。
亡くなる2週間前、私の息子を抱いて
「ままちーの息子か…うん…うん」
と呟きながら、涙を流していた。
娘が生まれると、私の母と姉たちは
娘に
「おじいちゃんが生きていたら、
ものすごい可愛がられたよ~」
と、よく言われたので
娘は会ったこともないおじいちゃんが大好き
私におじいちゃんの話を聞きたがる。
娘が小さい頃から時々、
父の思い出を語ってきたけれど、
離婚する前も今も
熊(元夫)が茶々を入れてくる
「おじいちゃんは背が小さくてな~
初めて会ったときは、声は聞こえるけど姿は見えなくて
見まわしたら、ちゃーちゃん(私の母)の
肩の上にちょこんと座ってた」
「えーーほんとー
可愛いーーーー」
いや、嘘だから。
信じるな、娘よ…
父は河童仙人になってからも
ものすごくモテたらしい。
本人も無類の女好きで、母はよく
泣かされたそう。
父の悪さの愚痴を言わせたら、
母の口は止まらない
娘
「おじいちゃんモテモテだったんだー
すごーい」
熊
「それにな、花火をバンバン上げるんだぞ」
はっ
なんのこっちゃ
「よくブラジャー持って走って
花火を投げて逃げる…(笑)…」
ちょっと待て!それって!
らんま1/2に出てくる
【八宝斎】 やんけっ!
ムカッとしかけたけど…
待てよ…うん、確かに似てる(笑)
私が思わず噴き出したものだから、
娘のなかでは
じーじ=八宝斎になってしまった
私は高橋留美子のマンガが好きで、
テレビアニメも観ていたから
当然、犬夜叉も観ていた。
娘が
「じーじだ」
と言うので見ると、
画面には
【冥加じじい】・・・
いや、確かに、確かに…似てるけど…(笑)
もー
怒りたいのに笑っちゃって怒れない
今でも娘はじーじの話が大好き。
「じーじはこれくらいの大きさだから、
(親指と人差し指で5mm程の隙間を作り
さらに1mmに狭める)
ままちー生まれた時はこのくらいだったんだね(笑)」
それ、1mmだから。
ままちー1mmの赤ん坊じゃなかったから
自分で言って、ゲラゲラ笑っている娘。
こんな娘のバカ話を聞いたら、
きっと父も面白がってゲラゲラ笑うな
会わせたかったな~
きっと娘と気が合ったろうな。
父は楽しいことが好きだった。
旅行も好きで、特に京都が好きで、
よく連れて行ってもらった。
美味しいものも好きで、食道楽だったな~
父の思い出は楽しい思い出ばかり。
また、父の思い出を記事にしてみよう。