シンイLove♥魅惑の高麗ライフ -3ページ目

シンイLove♥魅惑の高麗ライフ

あくまでも管理人の妄想の世界です。
ご了承の上お読みくださいませ。

 
 
 
 
ジノが直接やってきただけでも驚いたミンスだったが
その後を追い、駆け込んできたヘジンを見て
何やら嫌な予感がするミンス、取り敢えずヘジンを立たせ
 
「場所を移そう、病院のカフェにでも」
 
そう言うが、まだ息も整わないヘジンが
 
「院長…病院じゃない所がいいと思います
誰かに聞かれるかもしれないし
こいつ、いえジノが少しおかしいんです」
 
「ほう、何事かは知らんが…では家に行くか」
 
二人は揃って頷いた
 
「院へは私が連絡しておく、付いて来なさい」
 
そう言うとミンスは歩き始めた
マンションではウォノンとばあやが出迎える
ミンスの後ろに隠れるように立つヘジンとジノを見て
ウォノンは現代に来て初めて間近で見る
同年代の二人に目を輝かせた
 
一方のジノとヘジンは豪華な部屋に
完全に気後れしていた
ミンスに促されリビングへと入るも
部屋中を見回し一向に視線が定まらない
 
「そこに座って待っていなさい、着替えてくる」
 
そう言ってさっさと書斎兼寝室に行ってしまったミンス
 
「二人ともコーラでも飲むか?」
 
ウォノンの問いかけに黙って頷く二人
 
「待ってて直ぐに持ってくるから」
 
ウォノンは嬉しそうに笑うとキッチンへと走った
 
「ばあやコーラ、何かお菓子ある?」
 
「そこの戸棚に袋菓子がございますよ」
 
そう言いながらグラスにコーラを注ぐばあや
 
「お菓子の食べ過ぎはいけませんよ
ぼっちゃまはお茶になさいませ」
 
「わかってる僕は何でも良い、早く
二人が待ってる、あっそれと父さんにはコーヒーで」
 
ばあやの手からトレイを奪うと自分でリビングに運ぶ
二人の前にコーラを並べ、袋菓子を開けるウォノン
 
「そうだ皿が必要か、直ぐに持ってくるから」
 
立ち上がるウォノンに
 
「いえあの…このままでも良いですよ
こうすれば皆で食べられますよ」
 
ヘジンはそう言いながら、袋の背と底を開き
一枚のシートにしてしまった、ウォノンは目を見開き驚いた
 
「何と…なるほどこうすれば皿は要らぬのか」
 
『ん??要・ら・ぬ・の・か??』
 
ジノとヘジンは思わずウォノンを見た
その視線に気づいたウォノンは二人に
 
「どうしたのだ?」
 
するとジノとヘジンは声を揃えて
 
「「何歳?」」
 
ウォノンは驚き
 
「何なのだ…確か十四で間違いないと思うが」
 
「ねえ、名前何ていうの?」
 
「チェ・ウォノン」
 
ここでジノが過敏に反応した
 
「チェ・ウォノンって…師匠の弟なのか?」
 
ジノの質問に
 
「あっ…その方?じゃなくて君があのジノか」
 
するとジノは少し機嫌悪そうに
 
「確かにジノだけど、あのってなんだよ」
 
「気を悪うしたなら謝る、決して悪い意味ではないのだ」
 
「ストップ…スト~~ップ」
 
いきなりのヘジンの声に、ジノもウォノンも驚いた
 
「チェ・ウォノン、私はヘジン…キム・ヘジンよ
はっきり聞くけどウォノンは何処の生まれ?
…って言うかさ…何処から来たの?
言葉遣い変だよ、私と歳違わないのに…おかしいよ
まるでお爺さんと話してるみたい…」
 
ジノも頷くと
 
「師匠やカンギョがはじめの頃そんな風だった
アメリカから来たって言ってたのに
変な感じしてたんだ、何処から来たんだよ
えっ…言えよ何処から来たんだよ」
 
ウォノンは予想外の展開に何も言えない
 
「二人ともやめなさい…
ウォノンは退院したばかりだ、いいがかりをつけるな」
 
やっと戻って来たミンスが二人を諌めた

 

 

 

 

 
 
 
 
 
そして翌土曜日
朝からマンションは大騒ぎ
いつもは落ち着いているカジンまでもソワソワしていた
 
「ワン・ギ殿、お迎えにあがります
くれぐれも勝手にあちこち動き回らぬようお頼みします」
 
「分かっておる、幼子でもあるまいし」
 
不服そうなワン・ギだったが
楽しげなカジンに連れられ出かけていった
皆を見送り仕事部屋へと入ったヨンとウンス
そこへララが顔を出した
 
「あれっララ、今日はお洒落じゃない?」
 
ララは照れくさそうに微笑むと
 
「今日お休みします」
 
「うん…元々土曜日はお休みだし、遠慮しないでどうぞ
ちなみに何処行くの?」
 
ララはいっそう照れながら
 
「今日はアジン兄さんに誘われてるの」
 
「へぇ~デートなんだ…楽しんできてね」
 
「はい、へへっ…」
 
そう言うとララは足取りも軽く出て行った
 
「ウンスも何処か行くか?付き合うぞ」
 
ヨンが気遣うように声をかけるが
 
「ありがとう、でも今日はやめておくわ
泊まりで田舎へも行ったし
あなたとお泊りデートもしたしね
帰るまでに出来るだけ文献整理しておきたいし」
 
ヨンも頷くと
 
「ミンス院長には過分な報酬も貰っている
出来るだけ恩を返していきたい」
 
そして二人は仕事に没頭し始めた
その頃孤児院の園庭の隅では、ジノとヘジンが何やら相談中
 
「高麗時代の事は少し分かったけどさ
タイムトラベルは無理だよジノ」
 
「でも…だって…
聞いたもんトクマン兄ちゃん言ってたよ」
 
ヘジンはため息をつくと
 
「でもさ…確かに世界中の大学とか
研究機関で研究や開発を目指したりしてるみたいだけど
どこにも成功したなんて書いてないし
どう考えてもジノの聞き間違いな気がするけど」
 
ジノは半べそかきながら
 
「どうしたら証明できるんだよ…」
 
「ジノ…いったいどうしたいの?
いくらチェ・ヨンさんと離れたくなくても
一生一緒に居ることはできないんだよ」
 
ジノは鼻を啜りあげると
 
「ヘジン姉ちゃん、師匠はチェ・ヨン将軍だよ
あのチェ・ヨン将軍なんだよ
剣道とは少し違うけど、本当に強いんだ
ミンス院長も言ったんだ、あれは生き死にを操る剣だって
それに師匠の奥さんの名前も同じじゃん
一緒にお墓に入ってるユ夫人ってあの人だろう…」
 
ヘジンももうどうしたら良いのかわからない
最近では困り事はよくカンギョに相談したりしていたが
今回はカンギョに相談する訳にもいかないのだ
するとジノは
 
「俺、病院に行ってくる?」
 
「えっ?何しに行くのよ」
 
「院長に聞いてくる、院長なら何か知ってるはず」
 
「そんな事言ったら笑われるよ」
 
「それにあんた、それが本当だったらどうする気よ」
 
ジノは歩きかけた足を止めると
 
「どんなことしてでも付いていく」
 
「ジノしっかりしなさい、どんな時代か調べたでしょう」
 
「良いんだ…どうせこっちにも家族いないし
俺、師匠と一緒ならどんな事も我慢できる」
 
そう言うとジノは病院に向かって走り出した
 
「もうジノの馬鹿…」
 
そう呟くとヘジンもジノの後を追った
息を切らせて病院の玄関に着くと
偶然にもミンスが出てきた所だった
 
「ジノ、どうしたんだ何かあったのか」
 
両膝に手をあて腰を屈めて息を調えるジノ
遅れて着いたヘジンもその場にへたり込んでしまった

 

 

 
 
 
 
 
孤児院から戻りウンスの待つ部屋へと戻る
 
「お帰りなさい、夕食できてるわよ…手を洗って」
 
「ああ…」
 
いつもと変わらない短い返事
手を洗い食卓へつくヨン
 
「ジノ君どうだった?帰ってたの?」
 
ご飯を運んできてテーブルに並べるとウンスも座る
 
「ああ…戻っていた」
 
「そう、何もなくて良かったわね」
 
「ああ…」
 
「それにしても、どうしたのかしらね
こんな事珍しいんじゃない?ジノ君はヨンが大好きだもの」
 
「ああ…」
 
ここでウンスはクスッと小さく笑うと
 
「何かあったんでしょう、説明し難いこと?」
 
ヨンは箸を手に取ると夕食を食べ始めた
ウンスもそれ以上は追求しなかった
こういう時は言いたくないのではなく
ヨン自身が何か戸惑っているのだ
それからのヨンはいつもと変わらない様子だった
翌日は金曜日、朝からテマンとトクマン
チェリンとミンジュがマンションの仕事場を訪れた
 
「あれっどうしたの?仲良くお揃いで」
 
ウンスの揶揄うような言葉に四人は一斉に頬を染める
その様子に逆にウンスの方が驚き立ち上がる
 
「えっ?何…どういう事?」
 
四人の周りを一周する
 
「えっ…ウンス姉さん知らなかったの?」
 
ララもニヤニヤしながらやってくる
 
「ララ、何か知ってるの?」
 
ララはウンスの耳元で
 
「とっくの昔にカップリング成立ですよ
それでね組み合わせはゴニョゴニョゴニョゴニョ」
 
「そうだったのね、仲良いなって思ってはいたのよ
ふ~~~んそういう事なんだ」
 
ウンスとララが四人をニマニマと眺めていると
 
「何用だ…さっさと言え」
 
ヨンは四人の事は我関せずと言うように訊ねた
トクマンが慌てたように
 
「はい明日の土曜日にワン・ギさんが
奥様とお出かけになりたいと仰せですが」
 
「何処へ?」
 
「はい、デパートだそうです」
 
するとララが
 
「あっばあやが今朝言ってたわ
お昼にウォノンとばあやも合流してイタリアンでランチだって」
 
「それで誰が付くのだ?」
 
間髪入れずトクマンが
 
「我等四人で」
 
ここでヨンの視線が上がり四人を捉える
 
「四人も警護に付くというのか、目立って仕方あるまいに」
 
ヨンの言葉を受け目が泳ぎだす四人
勿論ヨンが見逃す筈もなく
 
「何だ…他に言う事があるのか」
 
こういう場面になるとウダルチテジャンそのものだ
 
「そ…それが…ご夫妻がランチの間
買い物に行きたいのですが」
 
トクマンの言葉にヨンの眼光が鋭くなった
 
「まあまあチェ・ヨンさんも落ち着いて」
 
見かねたララが口を挿む
ヨンの眉間に僅かに皺が寄るのを見て
ウンスがそっとヨンの隣へ
 
「そこのイタリアンのお店知り合いなのよ
VIPルームで個室だし
四人が戻るまで部屋から出ないように
オーナーにお願いするわ
それにばあやに頼んでおけば間違いないわよ
いつもコンビニとスーパーしか行かないんだし
せっかくなんだから少しくらい良いじゃない」
 
するとウンスも
 
「そんなに心配なら私達が迎えに行けば良いじゃない
ねっ、だから行かせてあげましょう
あまり時間も残されてないんだし…」
 
「そうだよ、あの店オープンカフェもあるから
それにここは現代だよ…安全だって、心配ないと思う」
 
ララも追加の援護射撃、ヨンは諦めたように
 
「わかった、帰りは俺がお連れする」
 
「はっ!ありがとうございます」
 
四人は頭を下げるとそそくさと仕事部屋を出て行った