ようやく、移送の朝を迎え、拘置所から抜け出すまで、あと少し。
これから、刑務所に送られて、本格的に懲役生活が始まるというのに、なんか、ちょっとワクワクします。
あまりにも退屈な日々で、外に出られる、変化や刺激がうれしいのです。
もう、この頃になると、頭の中が少しおかしくなっていました(笑)。
よくよく考えたら、これから刑務所に行き、キビシイ毎日が待っているのです。
それでも、外に出られるのが、うれしい。
あんまり先のことを考えないように、本能が防御反応をしているのかもしれまへん。
あとは着替えて、刑務所に送られるバスに乗り込むだけなんですが・・・
別れにイヤミですか、刑務官様?
さて、ここに連行されると、一人ずつ「ビックリ箱」に押し込まれます。
「ビックリ箱」は、まさにムショ用語。
壁際に沿って、ズラリと、公衆トイレのような個室の白いトビラが並んでます。
当然窓はなく、便所の個室くらいの大きさ、外からカギがかけられます。
中には、イスと呼べるものはなく、板があります。
そこに座るというよりは、腰を掛けて、呼ばれるまで待ちます。
おしりが痛いの、なんの。
あとは、出発まで待つばかりなのですが、刑務官様が来ることがあります。
今までの雑居房を担当していた刑務官様が、
「おい、刑務所に行っても、がんばるんやでぇ!」
なんて、励ますため声を掛けようと、わざわざ寄って行くのです。
中には、温かい方がいらっしゃるもんです。
壁越しに、そんな声を聴いて、しみじみしていたところ・・・
「お~ぉ!あの〇△くんじゃないか!ようやく君も刑務所に旅立ちだな、ぐわッハッハ」
なんて、見たこともないエラソーな上級の刑務官様に突然声を掛けられました。
自分が何をしたって言うんだよ!有名人でもないぞ!
他人の人生の転落、人生の破綻がそんなに嬉しいか!
「最後にイヤミを言われて送り出されるなんて、ロクなことがなさそうだ・・・」