毎日新聞に出しているエッセイ11月です~

近頃は挨拶のように「草を食べています」と草食宣言をしています。

「ついに草まで食るようになったか~」とほとんどの方には笑われますが(笑)

80歳を超える高齢の方からは懐かしいと言われます。

昔は野草を食べるのが日常だったようです。

こう紹介すると草を食べるのは「貧しい」とイメージされがちですが…

今春から野草を食べる会をはじめて、学習や調理をしてみたところ、

意外にも楽しくて美味しくて草食仲間が増えてきました!

 野草は食用になるものと毒草の知識を持つことが大事ですが、

身近なよく知られる野草もたくさんあります。

例えば、タンポポ、オオバコ、イノコズチ、アザミ、ハコベやミツバなど。

これらは春先からこの秋の季節まで長い期間食べられます。

私のお気に入りは“ハコベ”です。

「あ、ニワトリの餌になる草だ!」とよく言われるハコベです。(笑)

ハコベは苦味もえぐみもなく、生で食べられる野草です。

料理にも使いやすくて、お味噌汁の具にしたり玉子料理にも合います。

おすすめは、『ハコベ塩』作り方は簡単。

フライパンで自然塩を煎り、ハコベの青汁を足し、

さらに煎り続けて水分をとばしたら、鮮やかな緑の野塩の出来上がりです。

ほのかにハコベが香る野塩は、天ぷらや温サラダに添えて食べています。

最近のメニューでは、ハコベの青汁と小麦粉で野草うどんを手打ちしたり、

青汁をとった残りのハコベは刻んで寿司飯に混ぜ込み、刻んだ柚子皮も入れて
秋の巻寿司にしました。

 野草料理との出会いは熊本でした。

玉名市の市民の方々が野草料理の魅力を発信しはじめたところ、

市をあげて野草(薬草)による健康の街づくりを始めたのです。

畑の端境期の青菜がない時期や野菜が高騰する時は野草はありがたく、

災害時でも食べ方を知っておけば防災食になります。

足元の身近な草は、もしかしたら“未来食”かもしれません。





野草の会山口で調理した「はこべ」のうどん、巻寿司