お盆が近づくと、亡き父や祖母のことを思い出します。
お遍路さんが行き交う霊場の町で育った私は
幼い頃から両親に連れられ、
毎月、霊場札所のお寺へお参りをしていました。
そこは真言宗のお寺でしたが、
私たち家族は、養老の滝と呼んでいました。
怖い顔をした不動明王やお地蔵様などが
数えきれないほど並んでいて、
周りの大人はブツブツとお経を唱え、
冬でも滝にうたれる人がいたり、
暗いほこらや洞窟の参道もあって、
子供心にはちょっと不気味な場所でした。
ある日、母がなぜお参りをするようになったのか
話をしてくれたことがあります。
それは不思議な話で…、
父のおなかに大きな胆石ができてしまい
命にかかわる大きな手術をすることになった時に、
養老の滝にお参りをして父の肌着をお供えしたところ
手術の日には胆石が消えていたということでした。
だから家族で毎月お礼参りをしているのだと。
その話を聞いて初めてお遍路の皆さんの祈りに
寄り添うことができました。
私が二十歳を過ぎて、父が亡くなる前に、
祖母の作ってくれていた団子汁が食べたいと
言った時がありました。
母の団子汁では味が違うと父は言い、
結局父も私たちも祖母の味に再会することはできないままです…。
祖母の作る団子汁はカボチャとメリケン粉の団子が
入っていて、汁が甘くて透明だったのを
私も記憶しているのですが…。
迎え盆にお供えする白玉団子を見る度に
祖母の団子汁を思い出し少し寂しくなります。
今では、山へお参りに行くと、
大きく成長した杉の林の中で
凛とした空気に包まれ、
心が安らぐように思えます。
もっと昔、遍路道は山伏修行の場で、
この言葉を唱え登ったそうです。
お空は快晴 お山は快晴
ざんげざんげ 六根清浄
ざんげざんげ
六根清浄
山の中腹にある境内は、

