この作者の作品で、文庫化されたものは全部読んでいる…と思います。

 

今回は、主人公が少年。

仲良しのお隣の男の子を図らずも殺してしまった少年の物語。

 

少年の目線から見ると、意図して殺そうとしたわけではなく、将来有望な優秀な少年で、罪の意識は大いに感じつつも何とか逃げおおせたい、逃げ切ってほしいと思ってしまう。

でも、殺された男の子からすると、なぜ自分が殺されたのかもまったくわからず、それ以前に自分に何が起きたのかすらもわかっていなかったのではと思う殺され方で、その子の家族は遺体も見つからず、犯人もわからず、人生を狂わされてしまう。

 

結末は言えませんが、私的には、ちょっと納得いかない終わり方。

死んだ人間より、生きてる人間のほうが大事なのか?

これが現実の出来事であったとしたら、私としては納得できないではなく、許せない結末。

私にはなんだか後味の悪い作品でした。