がんになると、いろんな痛みが出てきます。
そもそもがんと診断された直後から、まずは心がとても痛むはずです。
それに加えて、再発や転移に関わらず、がんになるとどの段階でも生じるいろいろな痛みがあります。
がん自体が内臓や神経を壊したり圧迫したり引っ張ったりする痛み、それから手術や治療に伴って生じる痛み、筋肉や関節が委縮したり拘縮したり消耗したり衰弱することによって生じる痛み、などなどその原因はさまざまです。
痛みを緩和するために病院でやってもらえるいろいろな治療もあるのですが、今日は自分でもできる痛みを和らげる方法をいくつか紹介しますね
そのためには、痛みを強く感じさせたり、逆に軽く感じさせたりするいろんな因子があることをまず知っておいてほしいと思います
あなたはどんな時に痛みが強くなり、どんな時に痛みが軽くなりますか
この図でもわかるように、あまり眠れていなかったり、不安が強かったり、孤独感が強かったり、仕事を失ったり、疲れていたり、悲しみが強かったりすると、痛みを感じやすくなります。
もしかしてあなたはこういった理由で必要以上に痛みを強く感じていることがあるかもしれません。
逆に、良好な睡眠が取れていたり、充分身体を休める時間が確保できていたり、人と触れ合う時間、何かリラックスできる時間、ほっとできたりワクワクできる時間があると、実は痛みを少し楽に感じているかもしれません。
家族やまわりの方があなたのことを理解してくれることも、またあなたの痛みを少し和らげてくれているかもしれませんね。
がんと診断されて仕事を辞めてしまったAさんは、一日中病気のことを考え不安で仕方がない毎日を送っていました。
逆に治療中も仕事を続けていたBさんは、人と触れ合う時間があるので病気のことを忘れることが多く助かっていると言っていました。
病気の辛さでつい家にこもりがちになってしまうこともあるかもしれませんが、敢えて人と会う機会を作ったり、楽しいことを見つけてみることで、自分でも痛みを少し和らげる工夫ができるかもしれません。
是非、これをやっていると楽しいという趣味の時間をつくっていただければ、と思います。
また具体的なケアとしては、マッサージをすること
昔から”手当て”とよく言いますが、小さい頃に「痛いの、痛いの、飛んでいけ~」という、お母さんの手で痛みが消えていったように、自分で手を当てること、誰かに手を当ててもらうことでも痛みは和らぐことがあります。
あなたの力になりたいと思っているお子さんやご家族にマッサージをしてもらうことで、あなたの痛みもご家族の不安も少し改善されるかもしれませんね
また、温めたら良くなる痛み、冷やしたら良くなる痛みがありますので、どちらか気持ちいいほうがあればやってみてもいいかもしれません。
それからウォーキングなどの軽い運動を取り入れることでも気分転換ができていいと思いますよ。
痛みを感じにくい環境の調整だったり、装具や補助具を使うだったりいろんな工夫の仕方がありますのでいろいろと試してみてくださいね。
がん治療中の痛みというのは、どうしても出てくるのものですが、我慢しなければならないものでも、仕方がないものでもありません。
一番大切なことは、一人で抱え込まないでほしいということ。
あなた自身も、あなたを大切に思うご家族も、そして医療従事者もみんなで、みんなの知恵を出し合って痛みを和らげるケアを考えてみてください。
あなたの毎日に、少しでも痛みがありませんように、心から祈っています。