赤ちゃんに腹壁破裂という病気が見つかり、中期中絶した体験談です。


無事、出産を終えて、病室に赤ちゃんがやってきました。


助産師さんに母子手帳も書いてもらいました。

身長15センチ、体重140グラム、性別不明、死産、とありました。


照れ照れ照れ照れ照れ照れ


振り返ると、腹壁破裂が見つかってから、

赤ちゃんが産まれるまで怒涛の一週間でした。


先週の今頃は、

腹壁破裂が見つかって、

赤ちゃんが生きられないと知って、

ただ悲しかった。

あと一週間でこうして我が子を間近に眺められることなんて、

考えることはなかった。


でも、今の気持ちはどうだろう。

赤ちゃんが無事産まれたことの嬉しさが何よりまさっている。

幸福感に包まれている。


去年の今頃、稽留流産をしました。

妊娠8週目に赤ちゃんは静かにお腹の中で亡くなってしまって、

初期の中絶手術を受けた。

たった数時間の処置であっけなくお腹の中から赤ちゃんはいなくなり、

赤ちゃんに会うこともなく、短い妊娠生活が終わった。

ただただ喪失感が残ったあの時のバッドエンド感に比べたら、

今のこのハッピーエンド感たるや。


周囲は戸惑うと思うけど、

願わくば「出産おめでとう」と言ってもらいたい。


そんなことを言ったら、夫に、


夫「周囲にそこまで求めるのはさすがに難しいのでは。ポジティブな気持ちに包まれているのは俺も同じだから、夫婦ふたりでそう思っていれば、それでいいじゃない」


とたしなめられた。


そうだね。

今、産後ハイになっていて、周囲のことまで考えられていなかったよ…


あとわずかな時間の間にじっくりと、

後悔しないようにじっくりと赤ちゃんを観察しておこうおねがい


注)ここから親バカポエマーモードが全開になります。周囲に自慢しづらい分、ブログで好きに書いています、どうかご容赦ください


ニコニコニコニコ真顔ニコ


赤ちゃんの入った蓋をそーっと空けて、ガーゼのお布団をめくってあげる。

体じゅうよく見ると、

右手はもう指も爪も完璧に出来上がっているけど、

左手はまだまだこれから、という感じでまだ指が小さい。

それなのにもう爪が生えてきている。

人間の手は指も爪も同時進行でできていくんだと知った。


手形や足形が取れないか、あとで助産師さんに聞いてみよう。


皮膚はプニプニしていてまだ薄い。

髪の毛は生えていないけれど、毛穴は見える。

私も夫も髪の毛フサフサだから、

この子もきっと髪の毛フサフサなんだろうな。


顔もしっかりと出来上がっている。

特に眉毛がもうすでに生えかけている。

夫婦そろって眉毛が濃い家系なので、

どちらに似たのかよくわからない。


夫は


「(私の)亡くなったおじいちゃんに似ている」


と言っていたけれど、どうかな?


鼻と口がちっちゃくてかわいいね。

ほっぺたプニプニ。

耳も触ってみると、ちゃんと動く。


そういえば、抱っこしていなかった…!


箱をそーっと持ち上げて、両手で抱えて病室の窓際まで歩いていく。

もう暗くなった窓の外を見せてあげる。

これが夜景だよ。見えるかな?


……


ああ、よく晴れた日にお散歩に連れて行ってあげたかったな。


膝の上で箱を左右に揺らしながら、

赤ちゃんを抱っこしてあげている気持ちになった。


目を覚ましてくれないかな。

泣き出してくれないかな。

私の手をぎゅっと握ってくれないかな。


……


ああ、あなたがこんなに可愛いなんて知らなかった。


ずっとここにいて欲しい。


産まれてきてくれたことがこんなに嬉しいのに、

生きて欲しい、

と願うと涙が止まらなくなる。