筆者略歴

1988年生まれ

2017年に29歳で結婚

2019年に31歳で不妊治療スタート(検査&タイミング法)、卵巣嚢腫を手術で取り除く

2020年に自然妊娠妊娠2ヶ月で稽留流産

不妊治療再開(タイミング法、人工授精、体外受精)32歳で2回目の妊娠発覚

20211月に妊娠5ヶ月で子供に病気が見つかり中期中絶 ここのお話


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中絶すると決めたので、一週間仕事をお休みしなければいけなくなりました。


心の傷がまだ生々しい中、そして両親や家族にも話せぬまま、

上司に連絡をとり、事情を説明することになりました。


その日は上司もめちゃくちゃ忙しかったのに、仕事を調整して私のために時間を作ってくれたのが、本当にありがたくて、優しい人だなと思いました。


そのあと、人事とも相談をして、

赤ちゃんの病気の詳細については伏せるものの、

私が妊娠していて、来週は中絶のために一週間休むということを、

一部の関係者に共有することになりました。


私の職場は基本、男性社会なので、報告するのはほとんど男性で、そのうちのほとんどが独身の人たちです。


誰一人嫌な顔をせず、

「仕事のことは大丈夫だから」と言ってくれて、本当にありがたかった。


そして、多くの人が「正直、何と声をかけたらいいのかわからない」と話し、悲しんでくれた。


わたしにも、彼らに何と言ってもらえたら自分の心が少しでも救われるのかわからなかったし、

そんな言葉がこの世に存在するとも思えなかった。


そんな中、ある女性の同僚にも今回のことを報告することになった。


報告にも少し慣れてきたので、あまり泣かずに説明できたのだけれど、

私が話している途中から彼女が涙を流し始めてしまって、もらい泣きをした。


彼女が、実は過去に自分も流産の経験があると明かしてくれた。

子供に病気が見つかったけれど、妊娠22週を過ぎていたから、中絶ができなかかった、と。


22週を過ぎると中絶できなくなるので、

たとえお腹の赤ちゃんに異常が見つかっても産まないといけなくて、死産という形になる。

比べるわけではないけれど、それもまた、とても悲しいことだ……


ごめんなさいね、その時のことを思い出しちゃって、私の方が泣いてしまって……


と、彼女が話すのを見て、

なぜだかわからないのだけれど、自分の中の悲しみがスーッと彼女の涙に溶け込んでいくような気がして、

二人で泣いたあとになぜだか心が軽くなったのでした。


その時にふと、はじめて今回のことを女性に打ち明けたな、ということを思い出しました。


男性だからとか、女性だからとか、

そんなことは日ごろ思いたくはないし、

もちろん男性の同僚も同じように悲しんでくれて、たくさんの優しさをくれたのだけれども、

彼女と話したことで、確かに気持ちがふと軽くなったのでした。