▽筆者略歴
1988年生まれ
2017年に29歳で結婚
2019年に31歳で不妊治療スタート(検査&タイミング法)、卵巣嚢腫を手術で取り除く
2020年に自然妊娠→妊娠2ヶ月で稽留流産
不妊治療再開(タイミング法、人工授精、体外受精)、32歳で2回目の妊娠発覚
2021年1月に妊娠5ヶ月で子供に病気が見つかり中期中絶 ←ここのお話
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総合病院での診察の日。
予約は午前中だったので、午後から仕事をしてもよかったのだけれど、
診察が長引くと嫌だから、丸一日お休みをとることにしました。
以前、大学病院にかかったときに、5時間待っても診察を受けられなかったことがあって、
総合病院にかかるときは一日休みを取ったほうが良いと思うようになりました。
また、急にお休みをとった分、仕事も溜まっていたので、午後は家で仕事を片付けるつもりでいました。
結局、それどころではなくなるわけですが……。
診察の予約時間から待つこと約15分。診察室に呼ばれて、中にいたのは優しそうな男の先生。
紹介状をみながら、「多分、まだよくわからないので、これから経過をみながらゆっくり診察していきましょう」というようなことを言われて、
そうか、まだよくわからない症状なんだな、これから少しずつ明らかになるものなんだな、なんて思っていました。
いざ診察台に横になってお腹にエコーを当てると、
クッキリとエコーの画面に赤ちゃんが映っています。
相変わらず、背骨がキレイに見えるし、足も見える。赤ちゃんらしくなってきているな、と思いました。
すると、赤ちゃんのお腹のあたりを映している時に不意に先生が、
「前のクリニックの先生からは何も聞いていないんだっけ?」
と尋ねてくる。
そうですね、お腹のあたりに黒い影が見える、と言われています、と伝えました。
「……。あのね、今ここが赤ちゃんのお腹なんだけど、なんというか、あの、内臓が全部、外に出ちゃっているんだ……」
……。
たしかに、説明されると、赤ちゃんのお腹のあたりに何やら腸のようなものがあって、それらはすべてお腹の外にあるように見えました。
内臓が体の外に出ているって……
そんな状態で、この子が生きていけるわけないじゃない……。
目から涙があふれてきた。
エコーが終わったあと、椅子に座って、先生の説明を聞こうとしたけど、
「前に流産した時は、心拍聞こえる前だったんだっけ?」と聞かれて、はいそうです、と答えた。
「前は」ってことは、
つまり今回も、そうなるってこと?
と思ったら一気に涙が止まらなくなってしまいました。
先生は、ティッシュを持ってきてくれた。
先生は、とても言いにくそうに、
この子にはお腹がほとんどないということ、
そのために内臓が全て飛び出してしまっていることを説明してくれました。
腸の一部が飛び出している程度であれば、
出産後にはみ出した腸をお腹に戻す手術ができるけど、
今回はそもそもお腹がつくられていない状態で、
飛び出した内臓を入れる場所がなく、
治療も難しいだろう、と。
旦那さんと一緒にもう一度、午後に来てください、となりました。