いぬおと平日、住宅沿いの道を

散歩するようになったのは

2年半ほど前。当時は毎日のように

会っていたのに、今では

一緒に歩けなくなった方々も。




まずは犬友さんちの犬、

鶏を追って車道へ

飛び出し、車に轢かれて

亡くなり、一緒に遊んだいぬおも

あっけなく1年近く前に逝ってしまった。

 

まず家を出たらすぐに挨拶していた

老夫婦。うちの前を行ったり来たりの

お散歩で、ご主人は杖をついて

ゆっくりとではあるが

毎日欠かさず歩いていらした。

 

ここ1年ほど全く見かけなくなった。

街で偶然会うことすらもなくなった。

 

そして86歳のおばあさんが

散歩コース上のお宅にお住まいで

この人は私の職場近くの

カフェまでゆるゆると歩いて行く

途中に私とほぼ毎朝、他愛のない

10分くらいのおしゃべりをしていた。


この方、歩き疲れたら、

通りがかりの車を呼び止めて

カフェまで乗せて

行ってもらうという!

なんともハワイ島らしい

お付き合いが伺えた。


去年、しばらく見ないと思っていたら

人工股関節の手術になり

入院していらした。


それまで山羊を飼い1人で暮らして

いたのが、あれよあれよという間に

敷地内に小屋がいくつも建てられ、

山羊の囲いや門、フェンスも新しくなり

退院後はおばあさんの面倒を見る

大世帯が出来たようだった。


歩行器に掴まりよろよろ歩く

おばあさんをお庭で見かけた時は

どっと老け込んでいて、

ショックを受けた。


歩くのが好きでカフェでコーヒーを

飲み、生き生きと毒舌を

ふるうおばあさんとの

おしゃべりは私には

ずっと続く当たり前の

日常のはずだった。