うちのいぬ子といぬお、全く同じ犬種で

見た目は大きさ以外、よく似ている。

 

いぬおは北国の生まれ、生涯の大半を

ボストンで過ごした。

 

東海岸の真夏の数日は30度を超え、

極寒の日は零下30度まで下がる

極端な気候の中、吹雪の日も、

雪が厚く積もっている日も

鼻毛が凍る寒い日も、

いぬおと二人、何年も散歩してきた。

 

コートやレインコートは着せていたが

いぬおは寒いのも暑いのも結構平気そう

で、散歩中に家に帰りたがることはなかった。

 

いぬ子、ハワイはホノカアの生まれ。

 

うちの辺り、夏と冬では多少のずれは

あるもののほぼ年中29度から21度くらいまで

しか気温が変動せず、お昼過ぎに

日向へでたらさすがに暑いが

家の中はエアコンいらず。

 

先日の朝、21度くらいだった日、

いぬ子を連れて週末のロングコースには

うってつけの涼しさと

張り切って出かけた。

 

ところが5分もするといぬ子が

立ち止まり、体を押し付けてくる。

 

お水をやっても飲まないし

寝そべって休むわけでもなく

頻繁に立ち止まっては

ひたすらすりすりしてくる。

具合が悪そうな様子もない。

 

とうとう海へ降りる道、風が

冷たいところでちょこんと座り

一歩も前に進もうとしなくなった。

 

背中を撫でようとして、びっくりした。

ぶるぶると小刻みに震えている。

 

やっとこの子は寒くてたまらないのだ

と気が付いた。え、21度なのに?!

 

生まれた時から南国仕様。

寒いのには耐えられないらしい。

 







いぬおが使っていたコートを

念のため、出してきた。

 

カビだらけだが洗えば使える。

捨ててなくてよかった。

 

まさか20度越えでコートを着せることに

なるとは思いもよらなかった。