ハワイ島へ越して来て
犬の散歩をしている時に
見かける広大な牧草地、
不思議に思っていることがあった。
本土にいたころに見た牧草地には
たいてい大きな母屋、納屋、
牛舎など、立派な建物が
建っていたものだ。
ハワイ島では生産規模が小さいせいか
そんなに大きな建物はなく、
また年中夏のせいか牛や馬も
夜もその辺で寝ているようだ。
そして物置のサイズの小屋が
いくつもある牧草地が
多くて、どうして普通サイズの
家がひとつではないのかと
いぶかしく思っていた。
小屋ひとつひとつはきれいな色に
塗られていて、小さいながら
人が住んでいることがうかがえる。
人影はなくてもなにやら楽し気な
雰囲気が漂っているのを塀越しに
眺めては一体どんな風な暮らしがあるのかと
好奇心を募らせていたのだった。