一歳を過ぎたいぬ子、

1年ちょっと一緒に暮らして

こんなに人間ぽい感じがする子は

初めてで、時折ティーンの娘が

いるような気持ちになる。


いぬおだって甘えん坊で

喜怒哀楽の表現は

わかりやすかったが

人間の言葉のキャプション

をつけたくはならなかった。


考えてみると、いぬ子が犬らしく

ない点は食事の仕方に集約されている。


お腹が空いていても食べ物に

がっつくとか、私たちの

テーブルにあるものを

欲しがるとかがない。


気怠そうに餌をつついたり、

気に入らないと投げたり

水に沈めたりする子は

今までいなかった。


そして酸っぱいものや

甘くないほし納豆という

渋い好み。



スリナムチェリーの木を

点検に行くと、

なんとまあ勿体ない食べ方

をされていた。





以前はもいで食べた後の種だけ

残していたのが、もぐのが

面倒くさいのか、あちこち齧りかけの

チェリーが木に残されていた。


後日、木に足をかけた所を

叱ったら、逃げながら

振り返ってにいっと笑う。


「あたしい、ひとくちだけ

食べたかったのお。」