ストーブから煙は出ているものの

不完全燃焼を起こして

火は消えている

のを確認し、部屋中の窓を開けて、

中型犬は外へ出した。

夫にも被害はないことを

とりあえず伝えて

いったん電話を切った。

 

警察の方の次は消防車と

消防隊員が到着。

 

うちから800メートルの

ところに消防署があり、

サイレンを鳴らさないで

来てくれたので、

ご近所の迷惑にならなくて

ほっとした。

 

消防隊員の方々は、

若くてイケメンだった。

 

「キッチンから出火なの?」と

言いながら家に入って来た。

 

この頃には最初のショックも

収まり、こんなことで来てもらって、

恥ずかしいのと申し訳ないので、

いたたまれなかった。

 

当時飼っていた2匹いる犬のうち、

大型犬の方は

どなたが来られても、

のそっと起きてきては、また寝ていた。

 

60キロちょっとだが、

モップのような黒い毛が全身を

びっしり覆っているので、

体重より2割くらい

大きく見え、熊のような

外見で、初めて見た方は

びっくりする。

 

雪降る日の一軒家に

小さなおばさんが

大型犬と一人でいるのが

驚きだったらしく、

皆さんに一人なのか?

と何度も聞かれた。

 

申し訳なくて、何度も謝ったが、快く、

大変親切に不完全燃焼を起こした

原因を家の中も外へも出て

突き止めてくださった。

 

煙突が雪のかたまりで詰まって、

換気が出来ず、

煙が逆流してしまったとのことだった。

 

ストーブは使えないし、煙臭い家は

窓を開け放して寒くて散々だった。

 

土足で上がられた家の掃除と

残りの雪かきを済ませたら

もう夜10時近く。

 

それからとてもおひとり様宴会など

する気力がなかった。