ハワイ島の自宅の周りには家畜がどこにでも放牧されている。裏の広大な敷地で牛たちがいつも群でのんびりと草を食べているのを見るとこちらまでゆったりとした気持ちになる。いままで牛との接触は限られた場所、時間で、臭いし可愛いとは思ったことはなかったが、よく顔を見てみると大変愛嬌があり、敷地が広大なので匂いもない。牛どもは普段は静かにしているのだが、どういうわけかたまにしばらく鳴きやまないことがある。それがきちんと会話?になっているようなのが面白い。

 

かなりの音量で一頭が鳴く。いや吠えるというかいわゆるモーという音ではなくって、うぉーおおおおおという感じ。それが終わるのを待って別のが鳴き、それが終わるとまた別のが、という感じで延々と続くのだが、同時に2頭が鳴くことはないので、会話のようなのだ。牛は夜は寝ているというイメージがあったが、結構夜中も鳴いている。一度一頭が鳴くと後のが続くが静かな時は全く鳴かない。

 

車の音や周りの民家からの音がほぼないし、窓を開けているので声で起こされるほどの音量なのだけれど、これが一向に気にならない。海が近いので波の音も聞こえる。東海岸に住んでいた時も周りは自然がいっぱいで鳥の声で朝起きていたが、たまにご近所で大音量で夜通し音楽をかけてどんちゃん騒ぎをされると眠れなかったものだ。牛の声だって相当な音量なのに動物の声だと気にならないという不思議さ。