以前mixiに書いていた出産レポです。
もうめっきりログインしなくなったので、こちらに移すことにしました。



超過3日目の2012年6月20日水曜日午前7時頃

なんとなーく下腹部が重いな?腰が痛いな?と思って間隔を測ってみたら、10分前後で規則的な痛みがきてることが判明。

でもこれくらいだったら先週お腹壊してトイレと部屋をピストン移動してたときのが痛かったから、きっとこれ本陣痛じゃないのだわ…おしるしもまだだし病院に行くのはもっとひどいのが来るか破水してから…と我慢。

…でも10分間隔で腰がズンドコするし…と3時間くらい悩んだ結果、病院へ電話してみたら「一度診察に来てください」とのことだったので病院へ。

夫は会社の休暇制度を利用して夢の9連休(土日月火水木金土日)だったため、夫に病院まで車で連れてってもらって、なが~~~い待ち時間を待ち、エコーと触診してもらって(触診、直接手突っ込んで指で子宮口グリグリするんだよ!いてえ!ワイルド!)分娩監視装置つけてノンストレステスト(NST)で張り(子宮収縮=陣痛)の間隔と赤ちゃんの心拍を測ってもらうも

「ぜーんぜん子宮口開いてないというか、お腹が張ってすらないなぁ」

うそやーん!
待機時間の間にもそこそこ腰の痛み強くなってきてるやーん!
これが陣痛じゃないなら何痛なーん!?
またただの下痢なーん!?
兄ちゃん節子ずっとおなかびちびちやねん…

お騒がせ患者ですみませんと思っていたら、助産師さん曰く「おそらく陣痛には違いないだろうけどこの状態ではできることは何もないし、もっとしっかりした陣痛がつくまで自宅待機でオッケー!」とのことのようで。
打ちひしがれて項垂れながら、帰宅。

母の
「寝れそうなときは寝ておかないと体力続かないよ!」
というアドバイスを聞き、お昼寝…
…するんだけど、ちょいちょい痛みで目が覚めちゃって熟睡できない。

先輩ママさんの
「陣痛の痛みがちょっと楽かなって思う体位でいると子宮口が開きやすいよ!」
というアドバイスを聞き、痛みのたびに四つん這いになってみたりあぐらかいたり…
…するんだけど、どのポーズしてても痛い…

踏んだり蹴ったりな気分で寝っ転がってうーうー唸ってるうちに日が暮れて、時が経てば経つほどにどんどん激しさを増す痛み。

晩ごはんに出されたピーマンの肉詰めも満足に喉を通らないので、痛みの合間を見て流しこむように食べる。
これはもはや人間の食事ではなく、そこに尊厳など存在しない。

カロリー補給のためだけの、食物摂取である。

…そして、もしかしたらこれがピーマンの肉詰めを食べた最後の記憶になるかもしれないことを、この時の私はまだ、知る由もなかった…(´Д` )


私の場合、陣痛は腹痛よりも「尾てい骨の上らへん一帯の骨が爆発四散するんじゃないか」っていう強烈な腰痛が波にあわせて来る感じで。

そんな腰痛がいよいよ本格的につらい感じになってきて、脂汗までかきはじめた午後10時前。

もう無理だ!
いくらなんでもちょっとは進んでるはず!
と本日2回目の病院へ電話→診察の流れ。

前述のNST、張りの間隔を測るために30分くらいの間お腹に測定器をぺったんこしてモニターしなきゃなんだけどその30分の長いこと長いこと…

やっと30分経って助産師さんの診察、
開口一番

「うん、ちょっと張ってるけど全然弱いね!あと子宮口も全く開いてない!」

ふんがあああああ!
私の子宮口の頑固モンめえええ!!
おとなしく跪いて道を開けんかい!
赤子様のお通りじゃああああ!!

と心のなかで荒ぶっていると、助産師さんが

「もーこんなんで痛い痛い言っててどうするのー先は長いんだから。あとあなた太りすぎだからね、これは長丁場になるぞぉ。(理想は7~12kg増のところをまさかの23kg増)そうだなあ、

明日の昼頃には

陣痛室に行けるんじゃないかなぁ?」

って…

もう絶望。
明日の昼頃に生まれるよ!
じゃなくて明日の昼頃に陣痛室て。
半日この痛みに耐えても、分娩室にすら入れないの?

「まぁまぁ、長くかかると思ってたほうがね、早く済んだときにあーよかったーってなるからね、うん、頑張ろうね」

助産師さんの慰めが嘘にしか聞こえない!
でも、今日はもう診察時間終わってるからこのまま入院って言われて、それだけは心底ほっとした。

出産がどのくらい進んでるのかは不明だけど陣痛は超痛いです!っていう先の見えない状態は本当につらい。
診察してもらって現在の状況が教えてもらえるというだけでたとえ全然進んでなくてもなんとなく安心できる。

そして手続きを取り、夜11時頃入院。
一番安いけど付き添い人NGな大部屋
個室だけど一番高いスイートルーム
しか空いてませんと言われ、なにその究極の選択…と思いながら1泊だけスイートを希望。

直後、スイートにしといて本当に良かったなと思い知らされた出来事が。

嘔吐。

痛すぎて嘔吐に次ぐ嘔吐。
私の入院した産院はスイートのみトイレ付きだったので、もしもスイートに入院してなかった「部屋で洗面器に吐く→残り香でスパイラル嘔吐」だなんて惨事を防ぐために、そしてなにより大部屋の皆様のご迷惑にならないように、「陣痛の痛みという試練に耐えながらトイレまで歩いてって吐く」という苦行が追加されるとこだった。
お近くの水洗トイレ万歳。

しかしながら、リバーサーにとって多少恵まれた環境とはいえ、やっぱり吐くのはつらい。
それに「痛くて吐く」という体験自体初。
嗚咽とともに溢れ出る、数時間前までピーマンの肉詰めだった物体…

もう完全にトラウマ。

ごめんね。
ピーマンの肉詰めには罪はないけど、私達しばらく距離をおいたほうがいいと思うの…


そんなこんなで吐いたり唸ったりしながら夜を明かしたのです。
わかる人にはわかると思うけど、陣痛が来たときの状態を文字で表現すると

「あー痛いの来る…来る…来る、来る、来る来る来た来たああああぐうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……っぶはぁっ、はぁっ…はぁ…はぁー…痛かった…」

こんな感じ。

この「ぐうぅぅ」のあたりにギャーとか痛いーとか叫びたかったんだけど、なんせ夜中。
どうポジティブに考えても近所迷惑。

すでに出産を終えてかわいい赤ちゃんとドキドキの夜を過ごしている先輩ママさんたちの、ただでさえ少ない睡眠を妨害するわけには…!

と頭ではわかっていても、漏れだす「んぐうううっ!」みたいな呻き。

そして痛みが去る度に夫に向かって

「悪いけどこの子絶対に一人っ子ね…もう無理絶対無理…」

と弱音を吐き続ける。
二度と妊娠なんかするもんかと思ったね!

で、肝心の夫は、(当たり前だけど)慣れない出産の付き添いにへろへろ。
ぼんやりとしか覚えてないけど、腰をさすったり押したりしてくれてるのに

「そこじゃない!」
「痛い違う!」
「ちゃんとやってよもおお!」

とか乱暴に吐き捨てていた記憶が…
いくら痛いっていってもね、八つ当たりはよくなかったね。ごめんね…。

…でも一晩中続いた陣痛にのたうち回る私を置いて一人でベッドの端でマジ寝したからそれでチャラな!
(夫がいびきかいてるの見た助産師さんが「もう帰ってもらう?!」ってちょっとキレてたのが面白かったです)

夫はもう本番の分娩時にしっかり一緒に頑張ってくれたらそれでいいから…だから今はおやすみ…と思いながら、寝てるんだか起きてるんだかの状態で合間に助産師さんの診察を何回か挟みながら痛みに耐えること約5時間。

ようやっと陣痛を逃すのに最適な体位を発見したおかげか、

「よし、もう7cmまで開いてきてるからもうちょっとしたら陣痛室に移ろうか~予想より随分早いこと開いてよかったね!」

イヤッホォォウ!!神様ありがとう!!
そんな気分だった。
助産師さんに後光がさして見えた…

ちなみに、私流の陣痛のがしスタイルは、
「跪いてベッドの上に上半身を預ける」
ちょうど、クリスチャンが寝る前にベッドでお祈りするときみたいな感じ。
ほんと、神様ありがとうだよ。

そして助産師さんにいざなわれ、痛みと痛みの波の間をかいくぐるように自分の足で廊下の端っこにある陣痛室へ。
夢にまで見た陣痛室…!
この時点でおそらく朝6時頃。

そして横になってしばらくして、
運ばれてくる…朝食。

「ノガミさんいっぱい吐いちゃったからねー果物とかヨーグルトだけでもいいから食べてねー^^」

無☆理☆DEATH!!!
(実際は青ざめながら驚愕の眼差しで見上げただけ)

「少しでも食べないといざってときに力でないからねー」

…わかりました…。

陣痛室に備え付けられた少し高さのあるベッドで、どんどん間隔が短くそして強くなっていく痛みをこらえながら、痛みが来れば無言で棒立ちのまま上半身だけをベッドに預け、痛みが去れば無言でヨーグルトを口の中に流し入れる。

終始無言。
前日の夕食のとき以上に、醸し出される「作業」感。

ズズッズズッ…カターン!(食器置く音)…………ハァ…
カチャ(食器取る音)…ズズッ…

という周期的なヨーグルトを啜る音が陣痛室にこだまする。

あとで聞いたところ、その姿を見ていた夫によれば

「呻いてた時より断然つらそうで見ててかわいそうだった」

らしいです。
人間、本当につらいと声も出なくなるわけですね。

食べられなかった残りの朝食は夫に食べてもらって、安定のお祈りスタイルで痛みに耐えていると、突然股の間で「ぱちん」だか「ぷつん」みたいな音がしてばっしゃーん!って勢い良く生ぬるい水が。

うっひょおお破水きたー!
足元びっしょびしょやー!
せっかく病院から支給してもらったピンクのふわふわスリッパがご臨終したー!

とパニクりながら、夫に

「助産師さん!呼んで!破水!破水したああ!」

と叫んでたら、陣痛の痛みと同じタイミングでものすごい衝動が膨れ上がってきた。

すっごいいきみたい!


到着した助産師さんに息も絶え絶えの状態で

「あの!体が勝手に!いきんじゃうんですけど!」

と言ったら

「だめだよー今いきんだら赤ちゃん苦しいからねー呼吸法教室で習った呼吸法でいきみ逃ししてねー」

って注意されたんだけど、止めようとしても全然止まらないいきみ感!

こらえきれずに子鹿のように脚ブルッブルさせながら

「はあああああ無理です無理ですいきんじゃうあかんあかんうわああああだめえええええっ!!!」

みたいに絶叫してたら、さっきまで優しかった助産師さんに

「いきんじゃう言うからいきむんでしょ!黙って大きく呼吸して!」

って叱られた…ヒイ…スイマセン…。

呼吸法教室で習ったのは、陣痛の波にあわせて
「ふーー……っ」と
穏やかに深く息を吐き出すってやつ、の、はずなのにいきみをこらえるのに必死な私がやっていた呼吸法もどきは

「フヴゥゥーー!アバァァーー!」

ってなんか…うん…だいぶ違うっていうか…獣?

とにかく呼吸を意識することしかできなかった。ここまで来たらもう穏やかにとか絵空事なのさ。

ソフロロジー?お花畑を想像?
ヘタレの私にそんなん無理無理。


そして、破水したのでいよいよ分娩室へ。
座りにくい大股開き椅子にのそのそと着席。
ここからは割りとスピーディーで、もしものために点滴ルート確保して、なんか足に袋みたいなの被せられて(たぶん血で汚れないように)出口の周辺のみ剃毛(衛生面&縫うとき邪魔にならないように)などなどを準備されている間に先生到着。

「ハイ!いきんでいいよ!」

の一言で張り切っていきむ。
ああ、衝動を我慢しなくていいってなんてキモチイーの!

妊娠中にあんなにたくさん頭のなかで出産シミュレートしていたのに
「おへそを覗きこむように深く息をはきながらうんたらかんたら」
というのはほとんど頭からぶっ飛んでいた。

一つだけ覚えていたのは
「いきむとき目を瞑ると力が入りすぎて目の周りの毛細血管がブチ切れて産後青あざになるから目は絶対閉じない、コンタクトもつけちゃだめ」
という言葉。

母パンダになってたまるか…!という一心で、何か目印になるものを見ておこう!と目の悪い私は、だいたい斜め上の方向にボンヤリと見える壁かけ時計を見つめながら…いや睨みつけながら?いきむ。

痛くないときだけ目を瞑って、いきんでる間は瞬き一切なし。
表情もだいぶイっちゃってたと思う。

夫はその様をみて
「どこ見てんだこいつ…大丈夫か…」
とビビっていたらしい。
最初立会い怖いって言ってたのにえらいとこ見してしまってごめんね…

そんな状況でも「いきむの上手よー」とかほめられていい気になりつつ夫に手を握ってもらって、汗をふきふきしてもらいながら痛みの波に合わせて「ふーうん」と思いっきり力を入れ、いよいよ頭が見えてきたらいきまず「はっはっはっは」と小刻みに呼吸して、

助産師さんを始めとした産院スタッフさんたちのナイスな介助で、分娩室に入ってから30分くらいで長男誕生でした。

話には聞いていたけど、本当に産まれた瞬間痛み消えるんだ…
もう全然痛くないよーアハハウフフすっきりしたよ…
みたいに一人で宇宙と交信しながら脳内麻薬分泌してる間に、夫は産まれたばかりの子のへその緒を切り、看護師さんが体とかについた血やいろいろを拭いてくれて、ちょっとだけきれいになった長男とついにご対面。

「(そっかー君が入ってたのかーでかいなー嘘みたいだなー)」

とか思っていると妊娠中のいろんなことが思い出されてなんだか胸がつまった。

ひとまずは「初めまして!」って涙ぐみながらご挨拶。

事前の診察では自然分娩ギリギリの狭さだと言われていた骨盤、そして太りすぎた肉々しい産道をすごく頑張って通り抜けてきてくれたみたいで、吸引したりしてないのに長男の頭は少し細長く尖ってた。

しんどかったね。
よく頑張ったね。
ありがとう、本当にありがとう。
君のおかげで母ちゃんは長いこと苦しまずに済みました。
なんて孝行息子なんだろう。

写真を何枚か撮って、長男は新生児室へ。
夫は家族へ連絡に。
そして私は産後の処置。

お腹をあちこちぐいぐい押されて胎盤を押し出されて、会陰縫合。
切られるのが怖かったから何もしないでくださいってお願いしてたせいでそこそこ縦横無尽な感じで裂けちゃったらしく…結構長い間チクチク縫われました。

でも麻酔なしではさみでパチンは恐ろしくて耐えられなかったんだよ…!

ただ、幸いなことに

「今回は進行が早かったから裂けちゃったけど、皮膚自体はよく伸びてたから次の出産では切らなくても裂けないで産めるんじゃないかな?」

とのこと。

そう、次の出産。
なんと産まれた息子の顔を見た途端、陣痛中にあれだけ強く誓った
「二度と妊娠などするものか」
との誓いはあっさりと崩れ去り
「可愛いな…あともうひとりくらいならまぁ…いけるかな…」
に変わっていたのです!
本能って、恐ろしい!


細部は覚えてないけど、だいたいこんな感じでした。

このあとは2時間くらい陣痛室で産後の経過を見てもらったり、カンガルーケアしたり、そのときに初めてパイを吸われて「なにこれ結構痛いぞ!」ってびっくりしたり、産後初めて歩いてトイレ行かされて用をたすとき傷跡がしみて悶絶したり、股の間が痛すぎて円座なしではどこにも座れなかったり、いろいろあったけど大した話じゃないしここまでで充分長いのでもう割愛。

出産ってどんな形でもほんとに命がけだ!
誰にやり方を教わるでもなく、誰の手を借りるでもなく、慌てず騒がずこれらをやってのける野生生物は本当にすごいな…と思いました。



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