主治医との面談内容です。

ダイには、主治医として小児科部長で小児神経内科がご専門のK先生が、補佐?として男性のF先生とH先生、女性のT先生が付いてくださっています。

日常的に検査をしたり処置をしたりしてくださるのはF先生やT先生たちで、皆さん親身で話しかけやすく、とても雰囲気の良い先生たちです。

K先生によると、やはりWest症候群に間違いないとのこと。

ただ、脳波にヒプスアリスミアというこの病気特有の波形は見られるのですが、同じく特徴的なはずの「スパスム(*1)のシリーズ(*2)形成」がなく、さらに「欠神発作」と呼ばれる別のてんかん発作も合併しているという、かなり珍しい状態であると診断されました。

(*1 頭をガクッと頷くように下げ、手が上に上がる、俗に点頭発作と呼ばれている動き)
(*2 発作が数秒間の間を置いて何度か反復して繰り返されることで、発作のひとつの単位として「一日に3シリーズの発作がある」と数えたりします。一般的な感覚で例えるとしたら、しゃっくりが始まって止まるまで=1シリーズ、みたいな感じです)

つまり、ダイの場合「頭がガクッとなる」発作が単発で終了するのです。

観察していると、よくある発作のパターンは
まばたきをする→頭がガクッとなる→(これはたまにですが)驚いたように泣く→しばらく何も起こらない
といった感じで、むしろスパスムよりもまばたきの発作の方がよく目につきます。

ただ、ビデオ脳波の記録によると、すべての頻回なまばたき=発作!ではないようで、ただ眠いだけだったり、目に異物感があったりの「普通のまばたき」も発作にカウントして記録をつけてしまっていたので(私が)、見極めが難しいなーと感じました。
ちょっとまばたきを気にしすぎなのかも。

とにかく、ここ数日の記録からしても、私が最初に違和感を感じ動画に収めたスパスムのシリーズ発作は、この子の場合は滅多に起こらない発作のようです。
K先生からは「シリーズが起こりにくいのによくWestだと気付かれましたね」と言われたほどでした。

これに関しては、私は「10ヶ月検診のときに聞けばいいや~」なんて思っていたくらいなので、忠告してくれた友人に感謝してもしつくせません、と話しました。

あのとき「そのまばたきはもしかしたらてんかんかも」という話をしていなかったら、きっと検索で「点頭てんかん」という単語には辿り着いていなかったし、早期治療に漕ぎ着けることはできなかったはずです。

「てんかん」というキーワードがあったからこそ、バラバラになったパズルのピースのようだった状況証拠が一気に繋がり、一つの病気の存在を浮かび上がらせてくれたのです。


てんかんの発作は大別すると
・脳の一部で発生し、ほとんどが意識を保ったまま起こる「部分発作」
・大脳の両側にまたがる広い範囲で発生し、意識を喪失してしまう「全般発作」
に分けられるそうですが、ダイが診断されたこの「欠神発作」は、カテゴリーとしては「全般発作」に分類されます。

症状としては、まぶたをピクピクさせたり、口をもぐもぐしたり、ボーっと一点を凝視したり…というのが当てはまります。
起きているように見えますが、意識がないので、話しかけたりしても反応しません。

ダイの場合、目の前で手をひらひらさせても全く無反応になります。
魂が抜けてる、あっちの世界にいっちゃってる、そんな感じです。
冗談でよく使われる表現なのに、病気のせいだと思うとなんとなく悲しい気持ちになりますね…

何かをしているときに突然発作が起こったりすると、ボケーっとほうけているだけのように見えるので、これがてんかんの発作だとわからない人にしてみれば集中力がないとか、すぐ自分の世界に浸るとか、そういうぼんやりした人に見えてしまうこともあるようです。

ただ、欠神発作はWest症候群とは違い比較的予後の良い発作のようで、重い後遺症を残したりすることはおそらくないでしょう。と言われました。
もっとも、突然意識がなくなるなんて恐ろしすぎるので、早く治療してあげなければいけないことに変わりはないのですが。


脳のMRIの結果にはどこにも異常がなく、いたって正常な発達をしているとのお墨付きをいただきました。
もともとNF1、フォンレックリングハウゼン症候群の疑いがあったため、もし脳に神経線維腫ができていてそれがてんかんを引き起こしているのだとしたら…と不安に思っていたので、何もなくて本当によかった!

ですので、今のところ外科的手術は必要ないと考えておられるそうです。


これら全ての検査結果から、ダイは発作の原因が特定できなかったため
「潜因性West症候群」
と診断されましたが、典型例とかけ離れた症例でもあるので、予後についてはなんとも言えない…という、モヤモヤの残る結果に。

事前に調べた内容では、West症候群は「元々の脳疾患などに付随して発症した症候性」と、「原因不明の潜因性」に分けられているらしく、どのページを見ても「潜因性の方が予後が良い場合が多い」と書かれてあったので、潜因性と聞いて一瞬安堵したのですが…モヤモヤモヤ


とりあえず、
欠神には→デパケン(成分名:バルプロ酸)
Westには→ACTH療法("アクス"と読みます。使用する薬剤はコートロシンZ筋注)
という2剤使用で治療をしていく方針です。と説明されました。
(※ デパケンは先発品のお薬の名前です)

欠神発作に使われるバルプロ酸は、2割程度ではあるけれどWestの患児にも効果があったという報告があるそうなので、デパケンを投与してみて副作用や血中濃度の上がり方を見るついでに、Westに効果があるかどうか少し観察してみましょう。とのこと。

ACTHは、副腎に対して「ステロイドを出しなさい!」という刺激を起こすホルモンで、コートロシンZ筋注という薬剤を太ももに筋肉注射する治療だそうですが、入院での全身管理が必要なくらい副作用が強いため、もしデパケンが効いてACTHを使わなくて済むならそれに越したことはないのだそうです。
もちろん、効果がないと判断されれば、すぐにACTHに移行します。ともおっしゃいました。

私はこの説明を聞くまでは、ビタミンB6製剤の大量投与や抗てんかん薬を「試してみる」時間が惜しいと感じていたので、早くACTHをして欲しいと思っていたのですが、

「どうせ欠神発作治療のためのデパケン慣らし期間が必要なら、ついでにWestへの効き方を見ちゃうのもアリだと思うよ」

というこのプランにはとても合点がいったので、それでお任せすることにしました。

ACTH療法についてはこちらのブログがわかりやすくまとめられていて、とっても参考になりました。


さて、重要な検査が終了し、無事に目標への方角が定まりました。
あとは、もっと詳細な検査をしてさらに足元を固め、「完治」というゴールを目指して全力ジャンプあるのみ!です!!

どうかどうか、うまくいきますように。