次男ダイは生後1ヶ月の検診のとき、お医者さんからとある病気である可能性が指摘されました。

それは、神経線維腫症Ⅰ型(発見者の名前を取って「フォンレックリングハウゼン症候群」とも呼ばれます)、略してNF1という、先天性の遺伝子の病気です。

ダイの場合、『カフェオレ斑(カフェオレスポットとも)』という薄茶色のアザが体のいたるところにあり、それが診断のきっかけでした。

正直に言うと、育児に追われる毎日に加え、二人目ともなると変な余裕が生まれるせいか痣なんか気にしたことがなかったため、まさに青天の霹靂といった感じでした。

お医者さんから「この痣は生まれつきですか?最近になって増えましたか?」と聞かれても、情けないことに「わからないです…」と答えることしかできませんでした。

この病気を引き起こすとされる遺伝子は、巨大(つまり調べないといけない染色体のゲノム数が膨大)すぎて検査ができないため、体に現れる症状などから総合的に判断するしかないそうです。

診断を下すには、定められた内容のうち2つ以上が当てはまらなければならず、乳児で目に付く症状がカフェオレ斑しかないダイはまだ『可能性』の状態でしかないけれど、痣の数から言ってもほぼ確定だろうと。

・生まれつきの染色体の異常なので人には感染しませんが、50%の確立で子供に遺伝します
・両親からの遺伝で発症するパターンと、弧発型といって突然変異で発症するパターンがあります(ダイは後者です)
・染色体の異常なので、病気自体の完治は不可能です。病気により現れた不調をその都度治療するしかありません
・赤ちゃんの間は痣だけのことが多いです(ダイは今のところそうです)
・諸説ありますが紫外線で痣が増えることはないという見方が強いです(シミと同じくメラニン色素なので、心配して日焼け止めを欠かさないようにする方もいらっしゃるとか)

これから現れるかもしれないのは
・皮下腫瘤などの良性の腫瘍(いぼのようなぷくっとしたできもの)
・注意欠陥多動障害(ADHD)
・学習障害(LD)
・脊髄側弯など骨の歪み
そして、滅多にないけど、知能に障害が出たり、悪性神経鞘腫という癌に発展する場合もあるそうです。

腫瘍は身体中どこにでもできるみたいで、皮膚にできることが多いようですが、視神経などにできると視力低下や最悪の場合失明もあり得るそうです。

本当に個人差の激しい病気で、一生でカフェオレ斑が数個しか出なかった人もいれば、皮下腫瘤や骨の歪みで日常生活が送れなくなるまで悪化する人もいるようで、『レックリングハウゼン症候群』で検索すると、思わず目を覆いたくなるほどの状態にまで進行してしまった患者さんの画像が出てきたり、「こんな体に生まれたくなかった」と嘆いている人の書き込みを見つけたり…

病気について調べれば調べるほど「これでもか!これでもか!」とパンチを浴びせられている気持ちになり、ネガティブな情報を見つける度に、思わず下唇を噛み締めました。

「この病気自体は国の難病に指定されていますが、症状は個人差が激しいことと、今すぐ命の危険があったりするものではなく将来的に問題が出る可能性があるというだけなので、あまり神経質にならずに…」
と、お医者さんから慰められても、もし最悪のケースにこの子が該当したら?そして病気を理由に人間関係が拗れたら?という悲観が止められなくて、発覚からしばらくは悶々とした日々を送っていました。

私にとっては可愛い我が子ですから、顔や体にあるカフェオレ斑まで可愛いのです。
もちろん、これ以上数が増えないに越したことはないのですが、カフェオレ斑があろうがなかろうが、可愛いことに変わりはないのです。

ですが、現実的な話、周りの人はそうではありません。
時にはからかいの対象になることもあるでしょうし、本人が気にするようになる日が来るかもしれない。
それどころか、カフェオレ斑なんか気にもならなくなるくらいもっとひどい状態まで進行してしまうかもしれない。

…でも、そんなの全部、今は『可能性』でしかない。

というところまで気持ちを整理するのに、少し時間がかかりました。
そりゃあ五体満足で健康体であるに越したことはないですし、可愛い我が子にいらない苦労はさせたくないですが、この病気によってこの子の未来が奪われることが決定したわけじゃない。

これから定期的に通院して、MRI検査をしたり慎重な経過観察をすることは必要ですが、起きるかどうかもわからないこの先の困難に目が行って、今しかない可愛い盛りを沈んだ気持ちで過ごすのは勿体無い!

今の私にできることは、これから起きるかもしれない様々な困難を自分の力で乗り越え、「生きるって大変だけど生まれてきてよかったなぁ」と思えるように、子供たちの心と体を愛情を持って育ててあげることだけだから、母親業に集中集中!

そうやって気持ちを奮い立たせて、病気のことを受け止めました。


そんな矢先に、ダイにまた新たな病気が見つかりました。


続きます。